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胎児の肝臓で産生される胎児性タンパクの一種。AFPと略称される。出生後にはほとんど産生されなくなるものの、肝がん細胞では産生がみられることから、腫瘍(しゅよう)マーカーとして肝細胞がんの診断と治療効果判定に広く用いられている。ただし腫瘍サイズが小さいうちは感受性が低く、早期診断には限界がある。また一方で、肝硬変や慢性肝炎でも上昇することがある。
ウイルス性肝疾患患者および非ウイルス性の肝硬変患者では、画像検査とあわせて定期的に血中のAFPを測定し、肝細胞がんの早期発見に活用する。肝細胞がんの治療後の再発の指標としても用いられる。
がん化に伴う糖鎖の変化をレクチン(LCA)との結合性を利用して検出するのがAFP-L3分画比(AFP-L3%)検査で、肝細胞がんに特異的なマーカーとして、診断や再発の有無、悪性度の評価などに用いられている。
2019年11月20日