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化学結合の状態の一つ。水素分子は2個の水素原子から1個ずつ電子を出し合って単結合を形成しているが、酸素分子は酸素原子の最外殻電子二つが共有されて分子を形成している。一般に共有結合において、2個の電子からなる化学結合を単結合、4個の電子からなる化学結合を二重結合という。ここで、酸素原子の最外殻にあるpx電子どうしでできる結合はσ(シグマ)結合であり、第二の結合はpz電子どうしでできるπ(パイ)結合である。エチレンの炭素どうしの結合も二重結合である(このようにC=Cの二重結合をとくにエチレン結合という)。この場合は、sp2混成軌道どうしからなるσ結合と、分子平面に垂直なpz軌道からなるπ結合とによって二重結合ができる。
二重結合は、2個の原子間に2本の価線をつけて表すことがある。二重結合は反応性に富む。同じ原子どうしの結合距離を比較すると、単結合のほうが長い。