中国のスマートフォンや通信機器の大手民間企業。スマホ出荷台数でサムスン(三星)電子、アップルに次いで世界3位(2018)。正式名称は「華為技術有限公司」。1987年、中国人民解放軍出身の任正非(じんせいひ)(現・最高経営責任者=CEO、1944― )が創業した。本社は中国広東(カントン)省深圳(しんせん/シェンチェン)市。全株式を従業員が保有する株式会社で、未上場。電話交換機の販売代理店として創業し、交換機の開発を手がけ、通信機器メーカーとしての基礎を固めた。スマホなど消費者向けの製品と、電話の基地局や交換機などの通信会社向け製品が二本柱である。売上高の1割強を研究開発投資にあて、世界知的所有権機関(WIPO(ワイポ))が発表した世界の企業の特許出願件数では首位(2018)。第5世代(5G)移動通信システム開発で世界をリードし、中国政府のデジタル化戦略「中国製造2025」の中核を担う。世界170か国以上で事業を展開し、従業員数は約18万人。2018年12月期の売上高は7212億人民元(約11兆円)、純利益は593億人民元(約9000億円)。2005年(平成17)に日本法人、華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)を設立した。
アメリカ司法省は2019年1月、対イラン制裁を逃れるため虚偽説明をしたとして任CEOの娘で華為技術副会長の孟晩舟(もうばんしゅう)(1972― )を起訴。アメリカ政府は華為技術と中国人民解放軍とのつながりを問題視し、華為技術を政府調達先から排除し、日本、カナダなども追随した。背景には、中国とアメリカとの間で、人工知能(AI)、5Gなどの先端デジタル技術をめぐる覇権争いがあるとされている。
2019年11月20日