体操競技における男女器械種目の一つ(跳馬運動)。また、その器械名でもある。かつての跳馬はあん馬のポメル(把手(はしゅ/とって))を取ったような形態で、男女で規格が異なっており、助走方向に対して男子は平行、女子は直角に置かれていた。事故(とりわけ女子の跳躍台着手時の事故)が頻発したことを憂慮した国際体操連盟(FIG:Fédération Internationale de Gymnastique)が、安全性を高めるために、着手する面(馬の背中にあたる)の面積を拡大した現行スタイルの跳馬を考案させて正式採用した(形状は男女共通。2001年に規則改正)。この形状の変更により、FIGでは、競技名の表記をvaulting horseからvaulting tableへ変更した。しかし、日本国内では従来どおりの跳馬という表記を踏襲している。男女ともに長さ120センチメートル、幅95センチメートル、床面からの高さは男子135センチメートル、女子125センチメートルで固定され、使用するマットの厚さは20センチメートルとなっている。
演技は、あらかじめDスコア(難度)が定められた跳越技(女子の場合は跳躍技)を、男女ごとの競技の要求ルールに従って行う。助走―踏み切り―着手(第一空中局面)―跳越(跳躍)―着地(第二空中局面)という経過で実施され、演技は助走から開始されるが、踏み切ってから着地までが採点の対象となる。着地エリアのラインがマット上に引かれており、これを踏み越すと減点される(ライン減点)。なお、それぞれの跳越(跳躍)を開始する前に、実施予定の跳越(跳躍)技番号を表示しなければならない。男子は1896年の第1回オリンピック・アテネ大会より、女子は1952年の第15回ヘルシンキ大会よりオリンピック種目(種目別)となった。
2020年2月17日