日本大百科全書(ニッポニカ)

ロードレース
ろーどれーす
road race 英語

陸上競技、自転車競技などで、競技場のトラックを離れ、道路を使って行うレース。道路競走ともいう。陸上競技ではマラソンレース、競歩、駅伝競走をはじめ20キロメートル、30キロメートル、100キロメートル、10マイル(約16キロメートル)レースなどの長距離レースがあり、広義ではクロスカントリーのレースもこれに含む場合がある。
 陸上競技のマラソンなどのロードレースでは、下り坂の多い一本道コースがあるなど、コースによって条件が著しく違うため、これまで記録は公認されず、新記録が出ても「世界最高記録」「日本最高記録」の扱いを受けていた。しかし2004年以降は、国際陸上競技連盟(ワールドアスレティックス(世界陸連)の前身)により、スタートからゴールまでのコースの標高差などについての基準が設けられ、この条件を満たすコースで出された記録については、「世界記録」「日本記録」として公認されることになった。
 自転車のロードレースでは、毎年7月の約3週間にわたってフランス国内を中心に周辺諸国も走るツール・ド・フランスが有名である。1903年にフランスのスポーツ新聞社の主催で第1回が開催され、戦時に一時中断はあったものの、2013年には第100回を迎えた古い歴史をもつ。平坦(へいたん)ステージ、山岳ステージ、タイムトライアルステージなど多彩なステージが用意されており、個人総合優勝やステージ優勝のほかに、ポイント賞、山岳賞、新人賞などがある。各ステージの通算タイムを合計し所要時間がもっとも短かった選手が「マイヨ・ジョーヌ」という黄色いリーダー・ジャージを着て走る(レース2日目から)。最終ステージの終了時点で「マイヨ・ジョーヌ」着用の権利をもっている選手が、大会の個人総合優勝者となる。その他の賞の対象者もそれぞれ色の異なるジャージを着用する。スタート地点は一定しないが、最終ステージはパリ市街を中心に回るコースで、ゴールはシャンゼリゼ大通りとなるのが恒例である。大会は当初、国別対抗であったが、1960年代から国籍に関係のないチーム対抗レースとなった。ほかに有名な自転車のロードレースとしては、イタリア一周のジロ・デ・イタリア、スペイン一周のブエルタ・ア・エスパーニャがあり、ツール・ド・フランスとあわせてこれを三大ツール(グランツール)とよんでいる。
[加藤博夫][中西利夫]2020年4月17日