日本大百科全書(ニッポニカ)

ヤフー
やふー
Yahoo! 英語

1995年から2017年まで存在したアメリカのIT(情報技術)革命を主導した企業。インターネット検索サービスを中心に急成長し、ネット通販のアマゾン社や検索サイトのグーグル社と並ぶネット企業の草分け的存在であった。同社が提供するネット検索サービスなどのポータルサイトもヤフーとよばれた。しかし他社の台頭、スマートフォン(スマホ)への対応の遅れ、大量の個人情報の漏洩(ろうえい)などが重なり、2017年に通信大手のベライゾン・コミュニケーションズに中核事業を買収され、20年余りの歴史を閉じた。
 アメリカのスタンフォード大学博士課程に在籍中だったジェリー・ヤンJerry Yang(1968― )とデビッド・ファイロDavid Filo(1966― )が1994年、ネット上の膨大な情報のなかから、関心のあるサイトを効率よく探し出す独自ソフトを開発し注目を集めた。1995年にヤフー・コーポレーション(Yahoo! Corporation)を設立して本格的に検索サービスを開始。ヤフーという名は、ファイロとヤンが自らを「ならず者(yahoo)」だと思っていたので選んだとされる。1996年に新興株式市場NASDAQ(ナスダック)に上場し、ポータルサイト運営企業として広告、ニュース・メール・ゲーム・音楽の配信、ブロードバンド(高速大容量)のネット接続などに事業を多角化して急成長した。しかしグーグル社やアマゾン社などが台頭してヤフー離れが進み、2008年以降、経営不振に陥った。2012年にヤンが取締役を辞任し、CEO(最高経営責任者)も相次ぎ交代。2016年には中核であるネット事業をベライゾン・コミュニケーションズへ売却することで合意。社名もヤフーからアルタバへ変更し、日本のヤフー・ジャパン株式会社や中国のアリババグループの株式を保有する投資会社となったが、2019年に会社清算を決めた。
[矢野 武]2020年4月17日

日本でのヤフー

日本では、1996年(平成8)、アメリカのヤフー・コーポレーション(カリフォルニア州)と日本のソフトバンク(現、ソフトバンクグループ)が共同で日本法人ヤフー株式会社(Yahoo Japan Corporation)を設立。日本語検索サービスのヤフー・ジャパン(Yahoo! JAPAN)を開設し、ニュース、オークション、ゲーム、辞書、地図、天気情報、電子商取引、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、決済・ポイント付与サービスなどを提供し、日本最大級のポータルサイトとなった。1997年に店頭公開し、2003年(平成15)に東証(東京証券取引所)1部上場。ライバルのネット関連企業を相次いで買収し、傘下に事務用品通販のアスクル、宿泊・レストラン予約の一休(いっきゅう)、映像・コンテンツ配信のGYAO(ギャオ)、ファッション通販のZOZO(ゾゾ)、銀行業のジャパンネット銀行、広告のバリューコマース、電子決済のPayPay(ペイペイ)などを収めた。アメリカのヤフーが中核事業を買収された後も、日本のヤフー株式会社はヤフー(Yahoo!)ブランドによる事業を続行。2019年(令和1)に社名をZホールディングスに変更し、持株会社体制へ移行した。2020年に無料通信アプリのLINE(ライン)と経営統合し、LINEも傘下に収め、国内外の利用者(単純合算)が2億人を超える日本最大のプラットフォーマー(ネットサービスの基盤提供会社)となる。なお社名変更・持株会社化に伴い、Zホールディング傘下の電子商取引、会員サービス、ネット広告に特化した非上場の事業会社をヤフー株式会社とした。本社は東京都千代田区紀尾井(きおい)町。従業員6515人(2019)。
[矢野 武]2020年4月17日