日本大百科全書(ニッポニカ)

パシフィック・リーグ
ぱしふぃっくりーぐ
Pacific League 英語

日本のプロ野球2連盟のうちの一つ。略称パ・リーグ。1949年(昭和24)10月26日、日本野球連盟の分裂と同時に、阪急ブレーブス、南海ホークス、東急フライヤーズ、大映スターズと、新たに誕生した毎日オリオンズ、近鉄パールス、西鉄クリッパースの7チームによって創立された。1953年、パ・リーグ総裁に就任した永田雅一(ながたまさいち)(1906―1985)がアメリカの大リーグに倣えと8チーム制を提唱し、1954年から高橋ユニオンズを加えて8チーム制をとったが、ファン動員が思わしくなく、ユニオンズはわずか3年で解散し、1957年には大映に吸収されて7チーム制に戻った。さらに1958年には大映と毎日が合併し、大毎オリオンズとなって6チーム制となり、セントラル・リーグ(セ・リーグ)と同一体制となった。1973年より10年間、人気回復策として2シーズン制を採用し、前・後期優勝チームによるシーズン優勝決定戦(5回戦で先に3勝したほうが勝ち)を行った。しかし、1983年から1シーズン制に戻している。また、アメリカ大リーグのアメリカン・リーグに倣って、指名打者制度(DH制)を1975年から採用している。
 1973年に西鉄ライオンズ(旧、西鉄クリッパース)と東映フライヤーズ(旧、東急フライヤーズ)が球団を手放し、曲折を経て西武ライオンズ(1979)と日本ハムファイターズ(1974)となった。1989年(平成1)には第二次世界大戦前からの名門球団であった南海ホークスと阪急ブレーブスが、それぞれダイエーとオリックスに球団を譲渡、ダイエーはフランチャイズを大阪から福岡に変更、関西地区に3球団が集中するという問題を解決させた。さらに、ロッテと近鉄は球団名にフランチャイズの地名をつけたものに改称、日本ハムも2004年(平成16)フランチャイズを東京から北海道に移した際、球団名を地名をつけたものにしている。2004年、公式戦の上位3球団で日本シリーズへの出場権を争うプレーオフを導入。2005年からは、オリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズが合併してオリックス・バファローズに、ソフトバンクが福岡ダイエーホークスを買収して、福岡ソフトバンクホークスにそれぞれ球団名を変更、また、楽天を親会社とする東北楽天ゴールデンイーグルスが新規参入した。
 2020年(令和2)時点で、加盟している6チームとその本拠地は、オリックス・バファローズ(京セラドーム大阪)、福岡ソフトバンクホークス(福岡PayPay(ペイペイ)ドーム)、北海道日本ハムファイターズ(札幌ドーム)、埼玉西武ライオンズ(メットライフドーム)、千葉ロッテマリーンズ(ZOZO(ゾゾ)マリンスタジアム)、東北楽天ゴールデンイーグルス(楽天生命パーク宮城)である。
[神田順治][森岡 浩]

プレーオフと交流戦

2004年パ・リーグは、これまで公式戦(レギュラーシーズン、ペナントレース)優勝チームに与えられていた日本シリーズの出場権を、公式戦上位3チームによるプレーオフにより決定する制度を導入した。これは、はじめに公式戦2位と3位のチームが戦い(第1ステージ)、2勝先勝したチームが公式戦1位チームと戦うもので(第2ステージ)、第2ステージの勝者が日本シリーズに出場することができる制度である。2004~2005年は、1位チームが第1ステージの勝者に公式戦で5ゲーム差以上をつけていた場合、1位チームに1勝のアドバンテージが与えられた(「第2ステージの勝者」がリーグ優勝チームとなり、日本シリーズに出場。2位以下の順位はチームの勝率順)。しかし、2004、2005年ともに、公式戦1位のチームが第2ステージで敗れたため、アドバンテージを無条件で付与することへ変更となり、2006年は、1位通過チームには、ゲーム差に関係なく、第2ステージ1勝のアドバンテージが与えられるようになった。そして、リーグ優勝は「公式戦1位のチーム」、パ・リーグ年間1位は「第2ステージの勝者」、2位以下の順位はチームの勝率順とされた。
 2007年、セ・リーグがプレーオフ制度を導入したのにあわせて、名称が「クライマックス・シリーズ」に統一された。ファーストステージ(2010年「第1ステージ」から呼称変更)は、各リーグの2位と3位のチームが対戦し、ファーストステージの勝者がファイナルステージ(2010年「第2ステージ」から呼称変更)で公式戦1位のチームと戦う。1位チームには1勝のアドバンテージが与えられ、ファイナルステージの勝者が日本シリーズへの出場となる(2007年のみアドバンテージはなし)。年間優勝は「公式戦の勝率1位チーム」とされており、クライマックス・シリーズの結果による変更はない。
 また、2005年からセ・パ両リーグは交流戦を導入した。これは、いままで公式戦では対戦することのなかった他リーグの6チームと試合をするもので、当初は1チーム当り24試合(〈本拠地2試合+相手本拠地2試合〉×他リーグ6チーム)を戦ったが、2015年からは18試合(対戦カードごとに、どちらかのチームの本拠地で3連戦6カード)に削減された。
[森岡 浩][編集部]