ジャパンナレッジ
遊泳中に人を襲うサメのこと。その可能性のあるサメは、サメ類約250種のうちのほぼ10分の1程度である。このなかでももっとも恐れられているのがホホジロザメwhite death/Carcharodon carchariasで、英名は「白い死」の意味。幅広い三角形状の歯や三日月形の尾びれをもっているのが特徴。日本近海でもごくまれに沿岸に近づく。ほかにメジロザメ類Carcharhinus、シュモクザメ類Sphyrna、イタチザメGaleocerdo cuvieriなどもときに人を襲う。日本近海でのサメによる攻撃は公式にはいままでに4、5件あり、大部分の被害者は死亡している。
サメの攻撃を防ぐ積極的な手段はなく、サメをいち早く発見して水から出ることが最大の防衛方法である。血を流したまま海へ入ったり、やすなどで突いた魚を持っていたりするとサメをよび寄せることになる。また、海難に備えて、浮き輪付きの不透明な合成樹脂製の袋を用意し、万一のときに、海水を中に入れ、人もその中に入ってミノムシ状態で救助を待つのは、サメから知覚的に隔離されるため、効果があるものと考えられる。