ジャパンナレッジ
通貨の発行・流通状態や金融機関の経営内容、さらにはそれらの資料をもとにして作成される通貨増減要因や資金循環状況などを示す、金融に関する各種の統計に対する総称。公的統計としては、日本銀行(日銀)が調査しているものが中心であり、日銀ホームページの「統計」コーナーで総覧できる。このほか、財務省ホームページの「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」も金融統計にあたる。いずれも基本的に全数調査であり、また速報性があることが、他の公的統計に比べたときの金融統計の長所であろう。逆に、「お金には色がない」ので、どのように使われたかを把握することのむずかしさもある。
内容の面から分類すると、お金の価格(金利)に注目した統計と、量に注目した統計に大別できる。
金利関連のデータでは、日銀が政策金利に位置づけている無担保コールレート(オーバーナイト物)や、主要銀行が優良企業に融資する際の最優遇貸出金利のうち、貸出期間が1年未満の短期プライムレートおよび1年以上の長期プライムレート、財務省が公表している満期までの期間別の国債利回りのデータなどが該当しよう。
量に注目したデータでは、現在の日銀が政策変数として重視しているマネタリーベースや、世の中で流通しているお金の量を示すマネーストック、業種別、企業規模別などの区分で公表している貸出先別貸出金などがある。
2020年9月17日