ジャパンナレッジ
ある国の労働者と企業が生産活動に参加したことによって一定期間(四半期、1年など)に受け取った所得の総額を示すもの。賃金総額(雇用者報酬)、企業の利益(営業余剰・混合所得)の合計額として定義される。ここで、国民とは国籍を有しているかどうかを意味するものではなく、その国を拠点として活動している人(居住者)をさす。
よく似た概念である国民総所得(GNI)と国民所得の関係は以下のとおりである。GNIから、設備などの減価償却費(固定資本減耗)と政府の取り分である間接税(生産・輸入品に課される税から補助金を除いたもの)を差し引いたものが国民所得である。
なお、以上で説明した国民所得は「要素費用表示の国民所得」ともよばれる。現在の国民経済計算(SNA)においては、これに政府の取り分を加えた「市場価格表示の国民所得」も存在する。2019年(令和1)12月に公表された年次推計(2018年度国民経済計算)によると、2018年(平成30)の要素費用表示の国民所得は401.5兆円、市場価格表示の国民所得は444.4兆円であった。
2020年9月17日