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北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と韓国を分ける、北緯38度線付近の境界線。DMZ(Demilitarized Zone)、軍事分界線ともいう。1953年7月27日に締結された朝鮮戦争休戦協定で定められた事実上の国境。南北それぞれに幅2キロメートルの非武装中立地帯が設置されている。同地帯には多くの地雷が埋められ、双方の警備はきわめて厳格である。韓国側にはコンクリート障壁が設けられている一方、北朝鮮はスパイを韓国に侵入させるため複数のトンネルを掘削したことが判明している。軍事境界線上には、南北朝鮮間の会談の場となる板門店(パンムンジョム)が位置している。
休戦協定では海上の境界線が定められておらず、黄海(こうかい)上では韓国が李承晩(りしょうばん)政権期に北方限界線(NLL:Northern Limit Line)を設定した。北朝鮮は「米軍側が休戦協定と国際法を無視して一方的にわが方の領海内に引いた不法な線だ」と主張し、軍事境界線を延長する形でNLLより南側に海上軍事境界線を設定している。
2020年10月16日