ジャパンナレッジ
銀行本体の設立根拠が国内法に準拠する普通銀行を国内銀行とよび、そのなかでも、一般社団法人全国地方銀行協会の会員となっている、地域に営業地盤を置く銀行を地方銀行とよぶ(2020年3月時点で64行)。第一地方銀行、第一地銀、地銀Ⅰともよばれる。都市銀行に比べると規模は小さい傾向にあるが、地域に営業地盤を置く地域金融機関(地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合)のなかでは大きい。地方銀行を含めた地域金融機関は、地域産業を金融面から支え、地域経済の活性化に貢献するという社会的使命をもつ。
一般的に地方銀行の特色として、預金では個人預金のシェアが高いこと、主たる融資先を地場産業の中堅・中小企業としていること、公金の取扱いと地方債の引受けによって地元の地方公共団体と密接な関係をもっているといった傾向が指摘される。さらに2000年代以降、金融の自由化が進み、各種の金融商品(保険、個人年金、投資信託)の取扱いも充実させ、収益源の多様化にも努めている。また、地方銀行どうしや異業種との各種連携(例:業務提携、包括連携、資本業務連携)を通じて事業効率化に努めるといった取組みも進めている。しかし、長期化する低金利環境のもと、収益性の低下に苦しむ地方銀行が増えている。
2020年10月16日