特定職種の実務に必要な知識・技能の教育を目的とした日本の職業大学。大学と短期大学がある。学校教育法を改正し、同法第83条の2に基づき、2019年度(平成31)から制度化された。研究者ではなく、専門性の高い実務家の養成がねらいで、ICT、農業・食品、観光、ファッション、アニメーション、美容、芸術・文化、福祉・保健、リハビリテーション、動物看護などを学ぶ大学がある。急速な技術革新や産業構造の変化に伴い、民間企業などと連携し、社会で即戦力となる質の高い職業人の育成を担う。日本で新たな制度の大学ができたのは、短大が創設された1964年(昭和39)以来55年ぶりである。全国に専門職大学は15、専門職短大は3ある(2021年度開設予定を含む)。
標準的な卒業年限は専門職大学が4年(前期・後期課程の区分も可)、専門職短大は2年または3年。卒業するには大学で124単位、短大で62単位の取得が必要で、卒業すれば「学士(専門職)」、「短期大学士(専門職)」の学位を得られる。教員の4割以上を、実務経験が豊富な実務家とし、理論に精通した研究者教員らとともに、原則40人以下の少人数授業を実施。リハビリ専門職大学で地域防災学を、ファッション専門職大学では情報工学を教えるなど、実践的な専門性を深めるとともに、創造的で応用力のある人材を育てる。必要単位の約3分の1以上は実習・実技授業とし、企業や療養所などでの学外実習は大学(4年間)の場合で600時間以上、短大(2年制)で300時間以上となる。一般の大学・短大が専門職学部・学科を設けることも可能。専門高校の卒業者に学士取得の機会を与えるほか、社会人の学び直しの場を提供するねらいもある。教育の質を保証するため、文部科学大臣より認証を受けた認証評価団体から評価を受けることを義務づけられている。
2021年2月17日