ジャパンナレッジ


  • このコンテンツについて

コンテンツ一覧

  • 総合
  • ジャパンナレッジLib
  • ジャパンナレッジPersonal

日本大百科全書(ニッポニカ)

浦上玉堂

  • Jpn
  • Eng

ニッポニカ > 更新情報 > サンプルページ

浦上玉堂
うらかみぎょくどう
(1745―1820)

江戸後期の南画家。名は考弼(こうひつ)、字(あざな)は君輔、通称を兵右衛門といい、穆斎(ぼくさい)、玉堂と号した。岡山藩の支藩鴨方(かもがた)池田藩士の家に生まれ、7歳で父を亡くし跡目を相続。玉堂は主君池田政香(まさか)を敬愛し、その夭折(ようせつ)(1768、25歳)に際しては大きな打撃を受けたといわれる。武士としては大目付にまで上ったが、43歳のときには罷免され閑職についた。学問は初め藩校で儒学を学び、江戸詰(1774~1775)の際には崎門(きもん)学派の玉田黙翁(たまだもくおう)に師事して朱子学を修めたが、のちには古学や陽明学に接近する。一方、10代のころから七絃琴を学び、江戸詰めに際しては多紀藍渓(たきらんけい)についているが、琴は玉堂のもっとも愛するところであった。1779年(安永8)明(みん)の顧元昭作の琴を手に入れ、のちその銘「玉堂清韻」によって号を玉堂とした。このころより文人墨客との交遊が多くなり、画(え)を描き始めるなど自身の生活の中心も琴や詩文に傾いてゆく。1794年(寛政6)、2児春琴、秋琴を伴い、旅先で突然脱藩。その動機は不明であるが、寛政(かんせい)異学の禁の身に及ぶのを避けたためともいわれる。以後、画筆と愛用の琴を携えて諸国を放浪。晩年は京に住んだ。玉堂の画はおもに独学であり、作品のほとんどが脱藩以後、60、70代に集中している。50代の様式模索期を経て、60代には独自の水墨山水画様式をつくりだした。冬の山中を微妙な墨の諧調(かいちょう)と繊細な筆致で憂愁を込めて描き出した『東雲篩雪図(とううんしせつず)』(国宝)、秋の明るく澄んだ山中をわずかな色彩を添えることによって表現した『山紅於染図(さんこうおせんず)』、また『煙霞帖(えんかじょう)』『鼓琴余事帖』(いずれも重要文化財)など、揺れ動く自らの心象を鋭い詩的感性をもってうたい上げた画面は、近年とみに高い評価を得ている。

[星野 鈴]

©SHOGAKUKAN Inc.

メディア

浦上玉堂『山紅於染図』

    ほかのサンプルを見る

ジャパンナレッジLib

大学・法人向け

  • ジャパンナレッジLib とは
  • JKBooks とは
  • Lib と JKBooks の統合について
  • 連携サービス
  • 新規契約のご案内
  • 利用料金
  • 会員規約
  • 各種資料/申込書
ジャパンナレッジPersonal

個人向け

  • ジャパンナレッジPersonal
  • 新規入会はこちら
  • 会費・お支払い方法について
  • コース変更・退会について
  • 使い方
  • 推奨環境
  • 会員規約
ジャパンナレッジSchool

中学・高校生向け

  • ジャパンナレッジSchool
  • 事例紹介
  • よくあるご質問
  • 推奨環境
  • 会員規約

読み物・イベント

  • 知識の泉
  • ジャパンナレッジの本
  • イベントインフォメーション
  • イベントレポート
  • サンプルページ一覧
  • 利用者の声

関連サイトのご案内

  • 日本国語大辞典 第三版 
  • 日国友の会 
  • ことばのまど~小学館辞書編集室 
  • 大辞泉が選ぶ新語大賞 
  • 読書人 
株式会社ネットアドバンス
  • 推奨環境
  • プライバシーポリシー
  • 著作権について
  • リンクについて
  • 免責事項
  • 運営会社
  • アクセシビリティ対応
  • クッキーポリシー
  • Cookie設定
  • ABJマーク
  • ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す商標(登録番号 第10981000号)です。ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちらをご覧ください。AEBS 電子出版制作・流通協議会 https://aebs.or.jp/新しいウィンドウで開く
© 2001-2025 NetAdvance Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます
  • Twitter
  • Facebook