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バラ科(APG分類:バラ科)の常緑低木。高さ1~4メートル。多くの枝に分かれる。葉は単葉で枝の先に集まって互生し、倒卵形から楕円(だえん)形で、有柄で縁(へり)にすこし鋸歯(きょし)があるかまたは全縁である。托葉(たくよう)は線形で早く落ちる。5~6月、枝先に円錐(えんすい)花序をつくり、白色の5弁花を開く。雄しべ20本。雌しべは2本、子房は下位。果実はなし状果、球形で径約1センチメートル、やや光沢があり、黒く熟す。暖地の海岸に生え、本州から九州に分布する。形態的な変異が大きい。葉身が広倒卵形から広楕円形でほとんど全縁の変種をマルバシャリンバイといい、よく庭園や道路の植え込みに用いる。名は、葉が輪生状につくことから車輪になぞらえ、また花がウメに似ることからつけられたという。シャリンバイ属は、アジアの亜熱帯から暖温帯に約15種分布する。