ジャパンナレッジ
大阪市内を北東から南西に貫流する旧淀川(よどがわ)下流の一分流。北区中之島西端から大阪湾に至る延長6.34キロメートル、幅員158メートル。うち下流部約2キロメートルは安治川内港で幅員500メートル。1684年(貞享1)幕命を受けた河村瑞賢(ずいけん)が治水対策として、当時蛇行する淀川下流の九条島(くじょうじま)を開削してつくった人工河川である。開削以来治水のみならず水運にも寄与し、商都浪華(なにわ)の繁栄をもたらした。その間、河底の土砂の浚渫(しゅんせつ)がたびたび行われ、その盛り土で波除山(なみよけやま)や天保山(てんぽうざん)が築かれた(跡地は公園化)。1868年(明治1)大阪開港に際しこの川筋に川口波止場、同運上所(税関)が設けられたが、やがて大阪湾頭の大阪港築造に伴い、同港と市街地を結ぶ水路として重視された。第二次世界大戦後は大阪港の復興事業として、各河川下流の内港計画が進められ、安治川内港ができた。現在、右岸に大阪中央卸売市場のほか、住友化学、日本製鉄などの大工場、左岸には倉庫群、穀物貯蔵サイロなどが立地し、安治川大橋で結ばれている。