ジャパンナレッジ
大阪市中央部、中央区の道頓堀川南岸に沿う「ミナミ」の歓楽街。道頓堀川は、1612年(慶長17)平野(ひらの)郷の成安道頓(せいあんどうとん)が、許可を得て東・西横堀川を連絡して木津川に通じる運河の開削に着手。道頓の死後、従弟(いとこ)の安井久兵衛(きゅうべえ)道卜(どうぼく)らが引き継ぎ、延長2.4キロメートルを完成した。初め南堀とよばれたが、大坂城主松平忠明(ただあき)が道頓の功をたたえて道頓堀と名づけた。日本橋(にっぽんばし)北詰にその紀功碑がある。道頓堀の南岸は、江戸時代から芝居町として栄え、五座の櫓(やぐら)(弁天座、朝日座、角(かど)座、中座、浪花(なにわ)座)があり、船で芝居見物にきたものである。現在も、演芸場や映画館が並び、食い倒れ大阪を代表する飲食店、バー、キャバレーが軒を連ねる繁華街である。最近、汚れの激しい道頓堀川を美しくし、魚のすむ川にするため、両岸にグリーンベルトを設け、川の中に噴水をあげ、イメージアップを図っている。