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日本大百科全書(ニッポニカ)

連立政権

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連立政権
れんりつせいけん
coalition government

議院内閣制のもと、複数の政党が閣僚を出して構成される政権。一つの政党だけで内閣を組織する単独政権と対比される。連立政権が樹立される際には、各政党がもつ議席数に加え、それらの間の政策距離が重要な意味をもち、政策協定などが結ばれることが多い。なお、複数の政党が首相指名や予算など議会での議決に限って協力する閣外協力の場合は、連合政権ではあっても連立政権ではないとされる。

 連立政権は通常、一つの政党だけで議会(とくに下院)の過半数の議席を確保できない場合につくられる。したがって、多党制になりやすい比例代表制を採用している国では、連立政権が通例となる。複数の政党で選挙ブロックを形成している場合には、その一つの政党が議会の過半数の議席を占めても、連立政権が成立することが少なくない。また、二院制を採用している国では、上院での多数派形成の必要から連立政権がつくられることもある。

 複数の政党によって構成される連立政権は、多様な民意を反映しやすい点で単独政権よりも優れているとされる。その一方で、政党間の連立協議を経て成立するために有権者が政権の枠組みを選挙で直接選択できない、与党間の調整が難航して政策決定に時間がかかり、政権が不安定化しやすい、といった欠点が指摘される。しかし、選挙ブロックを基盤とする連立政権の場合には、そうした欠点を比較的免れている。

 ヨーロッパでは連立政権の国が多数であるが、その代表例はドイツである。第二次世界大戦後の西ドイツや1990年の東西統一後のドイツでは、キリスト教民主・社会同盟もしくは社会民主党を中心とする連立政権が続いてきた。これら二大政党による大連立が成立することもある。

 日本でも終戦直後は連立政権が少なくなかった。第一次吉田茂内閣が自由党と進歩党、片山哲(かたやまてつ)内閣と芦田均(あしだひとし)内閣が日本社会党・民主党・国民協同党、第三次吉田内閣が民主自由党と民主党(連立派)の連立政権であった。ところが、1955年(昭和30)に自由民主党(自民党)が結成されると、同党による単独政権が長期にわたって続いた。そのなかで唯一の例外は、自民党と新自由クラブが連立した第二次中曽根康弘(なかそねやすひろ)内閣である。

 1993年(平成5)、非自民・非共産の八党派連立政権として細川護熙(ほそかわもりひろ)内閣が成立して以降、基本的に連立政権が続いている。非自民連立政権から自民・社会(日本社会党)・新党さきがけの三党連立政権を経て、1996年に自民党単独政権が成立した。しかし、参議院で過半数の議席を確保できなかったため長くは続かず、自民・自由党、自民・自由・公明党、自民・公明・保守(保守新党)、自民・公明と、自民党を中心とする連立政権が相次いでつくられた。

 2009年(平成21)には民主党・社会民主党・国民新党の三党連立政権として鳩山由紀夫(はとやまゆきお)内閣が成立したが、翌2010年、社民党の連立離脱を招き、2012年には自公政権が復活した。日本では1994年に衆議院の選挙制度改革が行われ、中選挙区制にかわって小選挙区比例代表並立制が導入された。そのもとで強固な選挙ブロックを形成していることが、自民・公明両党の連立政権が安定している最大の原因である。

[中北浩爾]2021年7月16日

©SHOGAKUKAN Inc.

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