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マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。日本など温帯では霜で枯れるので、一年生となる。熱帯アジア原産で、とくにインドに多く栽培される。日本へは江戸初期に伝来した。茎はつる性で長く、3小葉からなる複葉を互生する。小葉は長さ18センチメートルに達する。夏、葉腋(ようえき)に花序をつくり、長さ3.5センチメートルと大きい蝶形(ちょうけい)の白色花または紅色花を開く。莢(さや)は肉厚で長さ約25センチメートル、幅約5センチメートル。この莢の形が鉈(なた)に似るのでナタマメの名がついた。種子は8~16個あり、長球形で長さ約3センチメートル、紅色で、白色のものもある。若莢を野菜として煮食するが、とくに若莢のスライスを福神漬けにしたり、粕(かす)漬けやみそ漬けにする。花は酢漬けにし、赤色や緑色に染め、料理のつまとする。種子は、近縁のタチナタマメ同様、有毒成分であるカナバリンcanavalinを含むので、煮だして除毒し、煮豆とする。炒(い)ってコーヒーの代用ともする。春に種子を播(ま)き、秋に収穫する。