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セリ科(APG分類:セリ科)の一、二年草。和名はスペイン語のeneldoからきているといわれ、英名のdillからディル、ジラ(蒔蘿)ともいわれる。ヒメウイキョウともいう。茎は枝分れして高さ1メートルほどになる。葉は3回羽状に裂け、裂片は細長く糸状。夏に枝先に黄色の小花を多数開く。果実は楕円(だえん)状球形で扁平(へんぺい)、長さ3~5ミリメートルで黒褐色、白い縦筋が入る。原産地はインドからイランに及ぶ地域、またはヨーロッパ地中海沿岸から南ロシアにかけての地域とされる。メソポタミアや古代エジプトで薬草として栽培され、中国でも8世紀ころから記録がある。日本へは江戸中期にヨーロッパから渡来した。一方、中国からも漢方薬として伝えられた。果実をスパイスとしてソースやカレー粉に混ぜ、またケーキやパンの香りづけに使う。漢方では蒔蘿実(じらじつ)(子(し))とよび、興奮剤や駆風剤とする。カルボンを主成分とする精油3、4%と脂肪油17%を含む。若い葉にも芳香があり、スープやソース、ピクルスなどに風味を添えるハーブとして用いる。