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セリ科(APG分類:セリ科)の一年草。高さ約30センチメートル、茎は根元からも分枝し、葉はウイキョウのように細い線状に分裂し、無毛。複散形花序の小包片と総包片はいずれも細く線状に3裂し、花柄よりも長いのが特徴となる。花は白色あるいは紅色。果実は長さ約6ミリメートル、幅1.5ミリメートル、長楕円(ちょうだえん)形で両端はとがり、果皮にだけ毛がある。この果実をクミンと称して薬や料理、菓子の香辛料に用いる。原産地はトルキスタンで、現在はヨーロッパ南西部、北アフリカ、北アメリカ、インド、中国、シリア、チリで栽培され、また野生化している。治療薬としては健胃、整腸、鎮痙(ちんけい)、鎮静に用いられる。
香辛料として用いられるのは長さ6ミリメートルくらいの種子で、クミンシードともいわれ、強い芳香と辛味とほろ苦味をもつ。もっとも古くから使われている香辛料で、古代エジプトの薬用植物一覧表、紀元前1500年に書かれた『エバース古文書』、『新約聖書』の「マタイ伝」第23章などにも記述がある。カレー粉やチリパウダーの重要な成分の一つで、スープ、シチュー、ケーキ、ピクルス、チーズ、ソーセージ、チャツネにもよくあう。