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トチュウ科(APG分類:トチュウ科)の落葉高木。中国の南部と西部に自生するが栽培もされている。高さは10メートルに達し、葉は互生し、短い葉柄がある。葉身は長楕円(だえん)形で先は緩くとがり、基部は円形ないし広いくさび形である。雌雄異株で、花は4~5月に、葉と同時かあるいは葉よりもやや早めに咲く。花は花被(かひ)がなく、小枝の基部の包腋(ほうえき)に一つずつつける。雄花は雄しべ8~10個、雌花は雌しべ1個からなる。樹皮、小枝、葉を折ると弾力性のある白い糸を引く。これがグッタペルカgutta-perchaとよばれる成分である。漢方では、樹皮を乾燥したものを杜仲(とちゅう)と称し、強壮、強精、安胎、鎮静剤として、インポテンス、腰膝(ようしつ)無力、流産、高血圧症、腰痛などの治療に用いる。