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バラ科(APG分類:バラ科)の落葉低木。高さ1~2メートル、小枝は刺(とげ)になる。葉は互生し、楕円(だえん)形または長楕円形で長さ3~9センチメートル、先はとがり、縁(へり)に細かい鋸歯(きょし)がある。托葉(たくよう)は大きい。雌雄同株。3~4月、赤色で径約3センチメートルの5弁花を開く。花弁は倒卵形または円形。萼片(がくへん)は直立して先は丸く、萼筒は鐘形。雄しべは30~50本。雌花では、花柱5本の子房が発達する。果実は楕円状球形で長さ4~5センチメートル、7~8月に黄色に熟し、香りがよい。中国南西部原産。花が濃赤色のヒボケ、白色のシロボケ、紅白雑色のサラサボケ、枝がねじれて曲がるコウテンボケをはじめ、大輪、八重咲きなど品種が多い。中国語の木瓜(もっか)がなまってボケになったといわれるが、中国の木瓜は近縁の別種で中国原産のマボケC. cathayensis (Hemsley) Schneiderである。広く庭木、盆栽に植える。繁殖は挿木、株分けによる。陽樹で、日当りのよい適湿地でよく育ち、強剪定(きょうせんてい)しても成長力がある。