韓国を代表する自動車メーカー。2021年の販売台数はゼネラル・モーターズ(GM)を抜き世界4位。韓国だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、インド、中国などでグローバルに事業を展開しており、日本市場には2022年(令和4)に再参入した。かつて日本では「ヒュンダイ」とよばれていたが、2020年から公式呼称を原音に近い「ヒョンデ」に変更した。
現代財閥(現、現代グループ)の創始者、鄭周永(ていしゅうえい/チョンジュヨン)(1915―2001)が1967年に創業。1968年にフォード社の乗用車のライセンス生産を開始し、1974年に韓国証券取引所に上場した。1975年、韓国初の国産車「ポニー」(イタリアの工業デザイナー、ジウジアーロがデザインし、三菱(みつびし)自動車工業の乗用車ランサー初代のエンジンを使用)を発売し、韓国自動車産業の礎を築いた。1982年には三菱自動車工業が資本参加(のちに解消)。1984年のカナダ向け輸出を皮切りに、北米での販売を開始。トルコ(1997)、インド(1998)、中国(2002)、アメリカ(2005)、チェコ(2008)などに生産拠点を設け、グローバル企業として成長した。1997年のアジア通貨危機時には、破綻(はたん)した起亜自動車を買収、傘下に収めた。2000年に経営危機に陥った現代グループから離脱し、起亜自動車、現代製鉄、現代ロテム(鉄道車両)、現代モービス(自動車部品)などの傘下企業とともに独立企業集団を形成した。おもな車種は乗用車「エラントラ」「グレンジャー」、スポーツ用多目的車「サンタフェ」、電気自動車「IONIQ(アイオニック)」、燃料電池車「NEXO(ネッソ)」など。日本市場には、2001年(平成13)に参入したが販売不振で2010年までに撤退し、2022年からの再参入では電気自動車や燃料電池車の販売に注力している。本社所在地はソウル。2021年12月期(連結)の売上高は117兆6110億ウォン(約11兆1600億円)、純利益は5兆6930億ウォン(約5400億円)。