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硬骨魚綱スズキ目ハタ科ハタ亜科ハナスズキ族に属する海水魚。八丈島、伊豆大島、相模湾（さがみわん）以南の太平洋沿岸、沖縄舟状海盆（しゅうじょうかいぼん）（トラフ）、韓国の釜山（プサン）、台湾南部、九州・パラオ海嶺（かいれい）などに分布する。体は細長く、背びれは8棘（きょく）13軟条で、主上顎骨（しゅじょうがくこつ）の後下端に下向きの棘があり、腹びれと体は膜でつながらないことが特徴のハタ類で、以前はハナスズキ亜科に入れられていた。体は細長く、側扁（そくへん）する。尾柄（びへい）は著しく高い。前鼻孔は吻端（ふんたん）近くに位置する。両眼間隔域は広くてわずかに凸形で、その幅は眼径とほとんど同じ。口はやや上向きで、下顎は上顎を越えて突出する。主上顎骨の後縁は目の後縁下に達する。上下両顎には幅広い絨毛（じゅうもう）状の歯帯がある。鋤骨（じょこつ）（頭蓋（とうがい）床の最前端にある骨）と口蓋骨にも絨毛状歯帯がある。主鰓蓋骨（しゅさいがいこつ）に3本の扁平な棘がある。前鰓蓋骨縁辺は丸くて、退化的な鋸歯（きょし）がある。鱗（うろこ）は非常に小さく、弱い櫛鱗（しつりん）で、体の前部では円鱗。主上顎骨と両眼間隔域は鱗をかぶる。背びれ棘部は浅くて広いくぼみで軟条部とつながる。臀（しり）びれは3棘9軟条で、第3棘は細長くてもっとも長い。胸びれは肛門（こうもん）に達しない。尾びれは短く、その後縁は湾入する。体色は背側面では赤色で、後部では黄色。吻端近くから目の中央部を通って尾柄の上部に達する黒褐色の縦帯がある。体の腹側面に縦帯と並行して多数の細い赤色の縦走線が走る。背びれと臀びれの縁辺と尾びれの上下葉に幅広い黄色の縦帯がある。水深30～220メートルの沿岸や大陸棚斜面の岩礁域に生息し、体長15センチメートルほどに達する。
本種はクロオビスズキL. lemniscatumによく似るが、クロオビスズキは黒褐色の縦帯が尾柄上で側線に接し、背びれ軟条が12本、臀びれ軟条が8本であることなどで区別できる。