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鳥綱ツル目クイナ科の鳥。全長約23センチメートル。額および顔から下胸にかけてはくすんだ赤褐色で、頭上以下の背面とわきはオリーブ灰褐色である。腹はやや白い。雌雄は同色。嘴(くちばし)は黒褐色、足は赤い。インドから中国東部およびフィリピンにかけて分布する。日本には夏鳥として渡来し、全国の水田や湿地で繁殖する。つねに地上で生活し、湿地の草むらの間を歩いて雑草の種子や小形の昆虫類を食べている。飛ぶことはできるが、危急の場合以外は飛ばず、飛んでもすぐ地上に降りて草むらの間に隠れる。したがって、観察する機会は少ないが、珍しい鳥ではない。
巣は湿地の草むらの中につくり、6月ごろ1腹約8個の卵を産む。夕方や夜間キョッ、キョッ、キョッと早口で鳴く。本種のこの声が、古来「クイナが門をたたく」といわれるものである。