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国際疾病分類

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国際疾病分類
こくさいしっぺいぶんるい
International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems

疾病や傷害、死因の統計を国際比較するため、世界保健機関(WHO)から各国に勧告されている統計分類。正式名称は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」。ICDと略称される。各国比較ができるよう、アルファベットと数字を用いたコードで統一され、各国から集まったデータはWHOにより「World Health Statistics」として公表されている。

 ICDの取組みは1900年、国際統計協会による国際的な死因分類の試みとして始まり、日本でも同年に導入された。その後、疾病分類の必要性が指摘されたため、1948年、WHOの所管となった第6回改訂で疾病統計にも適用できるよう分類を改正。さらに現行の1990年の改訂(ICD-10)で、統計目的を強調するために現在の名称に改めた。

 日本はICDに準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」を統計基準とするよう統計法で定めており、1995年(平成7)からはICD-10が人口動態統計、患者調査、社会医療診療行為別統計などの公的統計に利用されている。また医療保険の各保険者が公表する疾病分類別統計や急性期入院医療を対象とした診断群分類別包括評価制度(DPC制度)、医療機関における診療録の管理など、公的統計以外にも活用されている。

 2019年には29年ぶりの改訂となるICD-11が世界保健総会で採択され、2022年1月に発効した。改訂の最大の特徴は、従来の冊子体からインターネットを使った完全デジタル化への移行である。また日中韓の伝統医学(漢方医学)が導入されたほか、「免疫系の疾患」「睡眠・覚醒障害」などの章が新設された。WHOは5年以上の経過措置を経て改訂版を適用するよう加盟各国に勧告している。

[高野 聡]2023年1月19日

©SHOGAKUKAN Inc.

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