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熊本県玉名(たまな)郡和水(なごみ)町江田字清原(せいばる)の台地にある前方後円墳。周囲の虚空蔵(こくんぞう)、塚坊主(つかぼうず)などの前方後円墳とともに1951年(昭和26)6月、国史跡に指定された。古墳は本来全長61メートル、前方部幅約40メートル、同高さ約6メートル、後円部直径40メートル、同高さ約7.9メートルを有したが、いまでは若干変形縮小している。周溝内より朝顔形円筒埴輪(はにわ)や円筒埴輪を出土し、北西方約80メートルに古墳の残骸(ざんがい)らしいものがあり、武装石人、石製腰掛、石製家などが発見されている。後円部には妻入(つまいり)方向に入口を有する横口式家形石棺を埋設し、その前方には両側に切石(きりいし)を立て並べた通路を設ける。1873年(明治6)1月、石棺内より90点以上の重要遺物を出土し、1965年2月国宝に指定された。すなわち、鏡6面のうち5面は中国の後漢(ごかん)ないし六朝(りくちょう)時代の所産で、金銅製冠帽(こんどうせいかんぼう)や冠(かんむり)、金製垂飾(すいしょく)付き耳飾、金銅製沓(くつ)、金銅製轡(くつわ)金具などは朝鮮三国時代の新羅(しらぎ)や伽耶(かや)文化の所産として注目され、蓋坏(ふたつき)や提瓶(さげべ)も類品が伽耶地方から出土している。そのほかにも玉類や金環、甲冑(かっちゅう)、大刀(たち)、剣、鎗(やり)、鏃(やじり)、刀装金具、帯(おび)金具などがあり、なかでも大刀の一つには銀象眼(ぎんぞうがん)の銘文があり、日本最古の金石文の一つとして知られる。