ジャパンナレッジ
二つ以上の学年の児童・生徒を一つの学級に編制したもの。日本の公立義務教育諸学校の学級は、同学年の児童・生徒で編制することが原則である。しかし、児童・生徒数が著しく少ないなど特別の事情がある場合には、政令で定めるところにより、二つ以上の学年の児童・生徒を1学級に編制することができる(「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」第3条)。二つ以上の学年の児童で編成する学級の児童・生徒数の基準は、小学校については16人(ただし第1学年の児童を含む場合は8人)、中学校については8人を標準として都道府県教育委員会が定める(同条2)。
複式学級では、1人の教師が二つ以上の学年の教授・学習活動を同時に展開せねばならず、多くの負担や困難を伴う。2015年(平成27)に文部科学省が通知した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」では、複式学級によって生じる教育上のデメリット(教材研究・授業準備にかかる負担の大きさや直接指導が必要となる教育活動の制約など)にかんがみ、複式学級が存在する規模の学校について、統合などの適否を速やかに検討する必要があることが示されている。他方、同手引では複式学級や小規模校がもつ教育上のメリットも示されている。複式学級には、そうしたメリットを最大限に生かし、協同学習の充実を図るなど、カリキュラム・指導方法などをくふうして展開することが大いに要請されている。