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昆虫綱鱗翅(りんし)目シロチョウ科に属するチョウ。日本では九州南端の大隅(おおすみ)半島、薩摩(さつま)半島の中・南部以南から南西諸島にわたって分布し、南西諸島ではとくに珍しいものではない。国外では西はスリランカ、インドから東はモルッカ諸島にかけて南アジアにその分布は広い。はねの開張90~100ミリメートル程度。日本産のシロチョウ科では最大の種で、前ばねの表の先半には橙赤(とうせき)色の斑紋(はんもん)があり美しい。春から秋にかけて数回の発生を繰り返すが、第1化の春のチョウは以後発生のものよりやや小形で、前ばねがとがる。飛び方は速く、また高く飛ぶので、花を訪れるもののほかは捕まえにくい。幼虫の食草はフウチョウソウ科のギョボク。アブラナ科植物でも飼育可能。蛹態(ようたい)または幼虫態で冬を越す。