ジャパンナレッジ
low-cost carrier(ローコストキャリア)の略語。LCCに関しては、法的なものを含めて厳密な定義はないが、一般には格安航空会社のことをさす。LCCは、付帯的サービス(機内サービス、荷物預かりサービス、遅延時の乗継ぎサービスなどの「フリルサービスfrill service」)を多く提供するFSC(フルサービスキャリアfull-service carrier)と対比されて論じられることがよくある。
LCCは所有機材数を最小限にして高頻度短距離サービスを提供することが多い。またLCCは、機内サービスを提供しないか有料提供とし、さらにインターネット予約によるチケットレスサービスをFSCに先駆けて早くから実現している。これらによって、LCCは運航費用、人件費などの費用を極力抑え、FSCに比べて格段に安い運賃でサービスを提供することができるようにしている。
日本では、全日本空輸(全日空)が出資するPeach Aviation株式会社(ピーチ・アビエーション)が2012年(平成24)に運航を開始したのがLCCの最初であるとされる。LCC間の競争の活発化により、業界内の再編も進んでいる。日本ではPeach Aviation株式会社のほか、日本航空系のジェットスター・ジャパン株式会社、スプリング・ジャパン株式会社、株式会社ZIPAIR Tokyo(ジップエアトーキョー)などが知られている。これら4社は海外路線を含めた中距離輸送市場にも進出している。