IT(情報技術)を使って家庭内のエネルギー消費を制御する次世代省エネ住宅。「コネクテッドホーム」「つながる住宅」ともよばれる。エアコン、テレビ、冷蔵庫などの家電機器や照明機器、トイレ・風呂周辺機器などをネットワークで結び、頭脳部である「家庭エネルギー管理システム(HEMS(ヘムス):home energy management system)」が各機器の稼動状況や電力消費動向を常時制御し、エネルギー消費を最適化する住宅である。屋根に設置した太陽光パネルや家庭用燃料電池で発電した電気を活用し、夜間電力や余った電気を住宅用蓄電池や電気自動車バッテリーなどに蓄えて利用することで、より効率的なエネルギー消費が可能となる。消費電力が急増した際に、自動的にエアコンや照明を調節して消費電力を抑える一方、料金の安い夜間電力を活用し、省エネ、電気代節約、二酸化炭素排出量削減などにつなげる。消費電力量をつねに把握するスマートメーターを通じて電力会社とも結ばれ、余った電気を電力会社へ売ることも可能である。
経済産業省などによるスマートハウス実証実験が2009年(平成21)から始まり、HEMSで制御されたスマートハウスは、照明カットや室内の設定温度引上げにより、夏の昼間のピーク時間帯の電力需要を5~15%抑える効果があると確認されている。当初、スマートハウス関連の技術は規格が標準化されていなかったが、関係省庁や民間団体などによるエコーネットコンソーシアムはHEMSの標準通信規格「ECHONET(エコーネット)」「ECHONET Lite(エコーネットライト)」を開発し、国際標準規格としても承認された。2011年ごろからは住宅、電力、ガス、電機、情報通信、自動車、ソフトウェア、家電量販店など多様な業種がスマートハウス市場へ参入し始め、日本でも普及期に入ったとされる。
なお、似通ったことばに「スマートホーム」があるが、これはスマートフォンやインターネット、音声などを使って施錠・開錠や家電製品の操作などが可能な住宅をさす。スマートハウスとスマートホームが混同して使われるケースもある。