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生没年不詳。中国、南宋(なんそう)の画院画家。河陽(河南省孟(もう)県)出身、一説に臨安(浙江(せっこう)省杭州(こうしゅう))の人。活躍期は南宋の中期、孝宗・光宗(在位1162~94)とその前の高宗かあるいは後の寧宗の3代に仕えたと推定される。花鳥、竹石、鳥獣画に優れ、その花鳥画は南宋院体花鳥画を代表するもので、遺品に、慶元3年(1197)の落款をもつ国宝の『紅白芙蓉図(ふようず)』(双幅、東京国立博物館)、同じく国宝の『帰牧図(きぼくず)』(奈良・大和(やまと)文華館)がある。いずれも気品に満ちた繊細な墨の輪郭線と鮮麗な彩色とによる写生画法のうちに、豊かな情趣を示す作品である。