硬骨魚綱スズキ目ヒイラギ科に属する海水魚。秋田県以南の日本海と茨城県以南の太平洋、東シナ海、朝鮮半島の南岸に分布する。体は楕円(だえん)形で、体長は体高の2.6~2.8倍。体の背部外郭は腹部外郭とほとんど同様に湾曲する。頭部外郭はほとんど一直線状。口は下方に向かって突出させることができる。主上顎骨(しゅじょうがくこつ)の後端は目の前縁下に達する。上下両顎に大きい犬歯状歯がない。鰓耙(さいは)は上枝に5本、下枝に12本。体は頭部を除いてはがれやすい小さい鱗(うろこ)で覆われる。背びれ第3棘(きょく)と第4棘の前縁の下部と臀(しり)びれ第3棘の前縁基部は鋸歯(きょし)状。体は銀白色で、背側面に虫食い状斑(はん)がある。水深10~100メートルに群れで生息し、底生小動物や付着動物などを食べる。5~8月ころに産卵する(盛期は6~7月)。全長10センチメートルくらいにしかならない。おもに底引網や地引網で漁獲される。旬は秋から冬で、刺身、南蛮漬け、から揚げ、干物にするが、とくに干物はおいしい。
本種は体が楕円形であることおよび体の背側面に虫食い状斑があることなどでイトヒキヒイラギE. berbisに似るが、イトヒキヒイラギは背びれ第2棘が糸状に伸長すること、体の背側面の虫食い状斑が非常に細かいことなどで区別できる。
本種は以前、ヒイラギと同じヒイラギ属Leiognathusに入れられていたが、2008年(平成20)に魚類研究者の木村清志(せいし)(1953― )らによってヒイラギはNuchequulaに移され、これをヒイラギ属とし、Leiognathusをセイタカヒイラギ属とした。そしてオキヒイラギはイトヒキヒイラギ、ヒメヒイラギといっしょにイトヒキヒイラギ属Equulitesに含められた。