1995年から2021年までアメリカ合衆国で開催されていたコンピュータ・ゲーム関連の展示会。日本の東京ゲームショウ、ドイツのゲームズコム(Gamescom)と並ぶ世界三大ゲーム見本市の一つとされ、家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」(2006)やスマートフォン用ゲームソフト「ポケモンGO」(2016)が発表されるなど、世界のゲーム娯楽市場の最新動向を知る場として注目された。しかし、新製品の発表・販売の場がオンライン上へ移行して存在意義が薄れ、2021年のオンライン開催を最後に終了した。
正式名称はElectronic Entertainment Expoで、Eで始まる3語にちなんでE3とよばれた。主催はアメリカのゲーム会社などが加盟する団体「Entertainment Software Association:ESA」。家電見本市のCESから独立する形で、1995年に初開催。毎年5~6月ころ、ロサンゼルス・コンベンションセンターで開催された。1996年(平成8)に幕張(まくはり)メッセ(千葉市)で、1997年、1998年にはジョージア・ワールド・コングレス・センター(ジョージア州アトランタ)で開かれたこともある。入場は有料。年末商戦をにらんだ新作ゲーム機やソフトの発表・商談の場であり、当初、入場者はビジネス関係者に限定されたが、インターネットの普及で新製品をネットから直接ダウンロードする消費者が増えたこともあり、2016年に一般消費者向けイベントを開催。2017年からは一般の入場も可能となった。家庭用ゲーム機、パソコン、スマートフォン、携帯ゲーム機向けなどの最新ゲームソフトや関連機器を展示し、来場者は実際に操作してゲームを楽しむことが可能だった。ピークの2016年には、250を超える企業が約1600点のゲーム機・ソフトなどを展示し、入場者数は7万人を超えた。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID(コビッド)-19)の流行で、中止(2020、2022)やオンライン開催(2021)を余儀なくされた。さらに、ゲームビジネスの急速なネット化に伴い、ビッグ3(任天堂、ソニーグループ、マイクロソフト)をはじめ、不参加のゲーム会社が増え、2023年の開催を断念して幕を閉じた。