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サンスクリット名ブラフマンbrahman。古代インドの紀元前6、5世紀ごろに姿を現した神。元来ブラフマンとは音声、言語に秘められる呪力(じゅりょく)で、これがしだいに万物をつくりだす創造力とされ、ついには宇宙万物の根本原理となった。これが神格化されて創造神たる梵天となったもので、しばしばブラフマーbrahmāと記される。ヒンドゥー神話では宇宙を維持するビシュヌ神、破壊をつかさどるシバ神とともに三大神とされるが、この二神と異なり、実際に神祠(しんし)に祀(まつ)られて崇拝されることはまれである。妃は知慧(ちえ)と学問、ないし雄弁と音楽の神たるサラスバティー女神(弁才天)である。仏教では帝釈天(たいしゃくてん)とともに護法の神とされ、釈尊に説法を勧めたりする。また密教では十二天の一つとされる。日本における作例では法隆寺金堂の塑像、東大寺三月堂の乾漆像、唐招提(とうしょうだい)寺の木像は名品として知られる。密教像では東(とう)寺(教王護国寺)講堂の木像、京都国立博物館蔵「十二天画像」(東寺旧蔵)中の梵天像などがある。