ジャパンナレッジ
周縁に鈴がついた仿製(ぼうせい)鏡で、古墳時代、5世紀に製作された日本特有の鏡。鈴数は10鈴から4鈴まであるが、9鈴はなく6種類。五鈴鏡と六鈴鏡が多い。裏面の図像文様からすると、鈴をもたない通常の仿製鏡と同一地域、おそらく近畿地方の製品とみてよいが、出土品は東国に多い。鈴鏡の製作された時期になると、鏡を墳墓に副葬する習俗が東国以外ではしだいに衰退していったことによるのであろう。腰に鈴鏡をつけた、いわゆる巫女埴輪(みこはにわ)にうかがえるように、この時代の鏡が呪具(じゅぐ)であったことを示す典型といえよう。