硬骨魚綱ハダカイワシ目ハダカイワシ科に属する海水魚。南西諸島近海、小笠原(おがさわら)諸島海域、南シナ海、フィリピン諸島、オーストラリア、ニュー・カレドニアなど太平洋、インド洋および大西洋の亜熱帯から熱帯域海域に分布する。体は太短く、体高は体長のおよそ3分の1。頭は小さく、頭長は体長の4分の1より長い。吻(ふん)は丸くてきわめて短く、前方に飛び出さない。吻長は眼径の半分以下。目は大きく、眼径は頭長の半分よりやや短い。口も大きく、上顎(じょうがく)の後端は目の後縁下に達する。背びれは12~14軟条、臀(しり)びれは17~19軟条。脂(あぶら)びれ(背びれの後方にある1個の肉質の小さいひれ)は臀びれ基底(付け根の部分)後端の前上方にある。胸びれは15~18軟条ですこし伸長し、臀びれの基底近くに達する。鰓耙(さいは)は上枝に6~7本、下枝に15~19本。鱗(うろこ)は櫛鱗(しつりん)で、はがれづらく、側線鱗数は37~38枚。
また、発光器は種の重要な特徴である。雄には大きい尾柄(びへい)上部発光腺(せん)SUGL(図中⑯、以下同)があるが、雌にはないか、あっても小さい。雌雄ともに尾柄下部発光腺INGL(⑰)がない。肛門(こうもん)上発光器SAO(⑫)は3個で、直線状に斜めに並び、最上のものは側線直下に位置し、1番目のものは4番目の腹部発光器VO(⑪)の後ろに位置する。腹部発光器は4個で、水平に並ぶ。腹びれ上発光器VLO(⑨)は1番目と2番目の肛門上発光器の中間の線上に位置する。胸びれ下発光器PVO(⑧)は2個で、斜めに並ぶ。胸びれ上発光器PLO(⑦)は胸びれ基底上端よりもかなり上方にある。体側後部発光器Pol(⑭)は1個で、側線のわずかに下の、脂びれの基底前端よりもすこし前にある。前部臀びれ発光器AOa(⑬)は6~8個。後部臀びれ発光器AOp(⑮)は2~4個で、1番目のものは臀びれ基底後部の上にある。尾びれ前発光器Prc(⑱)は2個で、尾びれ基底腹縁前端にやや斜めに並ぶ。
最大体長は6.5センチメートルほどになる。昼間は水深230~500メートルにすみ、夜間には水深20~230メートルまで日周鉛直移動をする。
本種は体高が高くて、体長の約3分の1であることなどで本種が属するアラハダカ属の他種と区別できる。本種はススキハダカ属Myctophumに入れられていたが、レネ・ポーリン・マーティンRene Pauline Martinらは2018年にDNAと形態の分析からアラハダカ属Dasyscopelusを復活させて、本種をアラハダカ、イバラハダカ、ヒサハダカD. obtusirostrisおよびウスハダカD. orientalisといっしょにこの属に移した。