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哺乳(ほにゅう)綱真無盲腸目モグラ科の動物。同科ヒミズ亜科ヒミズ属に含まれる日本特産種で、ヒミズモグラともいう。本州、四国、九州、五島(ごとう)列島、隠岐(おき)諸島、対馬(つしま)に分布する。頭胴長9~10.5センチメートルでモグラより小さく、尾は2.7~3.8センチメートルと長い。しかし、尾は近縁のヒメヒミズよりは短く、長毛が生え、バット状。毛は黒色に近く、光沢がある。上顎(じょうがく)第一切歯の先端はとがり、第二切歯の倍の高さがある。へら状で低い第一切歯をもつヒメヒミズとは異なる。歯数はヒメヒミズより1対(2本)少ない36本で、歯式は従来
とされてきたが、最近では犬歯の位置が改められ
が採用されている。山地の森林およびその周辺で落ち葉が堆積したような環境に多く生息し、堆積層の下に溝状のトンネルを形成して生活する半地中性。昼夜を問わず行動し、1日に3ないし4サイクルの休息をはさんだ活動周期をもつ。ミミズや昆虫などの動物質が主食だが、完全な動物食のモグラと異なり木の実なども食べる。主として春に子を産み、1産1~6子。3歳くらいまで生きると考えられている。