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日本大百科全書(ニッポニカ)

アリゾナ・ダイヤモンドバックス

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アリゾナ・ダイヤモンドバックス
ありぞなだいやもんどばっくす
Arizona Diamondbacks

アメリカのプロ野球球団。ナショナル・リーグ所属(西地区)。フランチャイズをアリゾナ州フェニックスに置き、チェイス・フィールドを本拠地としている。

 アメリカン・リーグとナショナル・リーグの両リーグで球団数の拡張と地区再編成が行われた1998年に誕生し、ナショナル・リーグ西地区所属となった。初年度は最下位であったが、2年目の1999年には早くも初の地区優勝。この年、FA(フリー・エージェント)でヒューストン・アストロズから加入したランディー・ジョンソンが最優秀防御率と奪三振王となり、サイ・ヤング賞も受賞。しかし、ディビジョン・シリーズではニューヨーク・メッツに敗れた。以降ジョンソンは、2000年に奪三振王、2001年は防御率と奪三振の二冠王、2002年は最多勝もあわせ投手三冠王となり、4年連続でサイ・ヤング賞を受賞した。2000年の途中には、トレードでフィラデルフィア・フィリーズからカート・シリングを獲得。翌2001年にシリングは最多勝投手となり、ジョンソンと強力な先発コンビを形成して2回目の地区優勝を果たした。ディビジョン・シリーズでセントルイス・カージナルス、チャンピオンシップ・シリーズでアトランタ・ブレーブスに勝ち、ワールド・シリーズへ進出。4連覇を目ざすニューヨーク・ヤンキースと対戦した。最終第7戦でジョンソンが緊急リリーフ登板して試合をつなぎ、主砲ルイス・ゴンザレスが9回裏にサヨナラヒットを打って「世界一」となった。球団創立から4年目のワールド・シリーズ優勝は大リーグ(MLB)史上最速記録であった。2002年はジョンソンとシリングがそろって300奪三振以上をマークする史上初の快挙を成し遂げ、また抑え投手金炳賢(キムビョンヒョン)の活躍などで、2年連続地区優勝。しかし、ディビジョン・シリーズではカージナルスに敗れた。2003年は3位に終わり、翌2004年には最下位に転落した。

[山下 健]
 2005年は、トニー・クラークAnthony Christopher "Tony" Clark(1972― )、トロイ・グロース、ショーン・グリーンらが移籍加入して打線は厚みを増したが、投手陣が振るわず地区2位。2006年は地区4位に終わった。しかし、一転して翌2007年には5年ぶりの地区優勝を果たし、プレーオフへ進出。ディビジョン・シリーズでシカゴ・カブスを降したが、チャンピオンシップ・シリーズではワイルドカード(リーグごとに各地区優勝チーム以外の勝率上位チームに与えられるプレーオフ進出の権利)で勝ち上がってきた同地区2位のコロラド・ロッキーズに4連敗を喫し、リーグ優勝を逃した。

 2011年には本拠地でオールスター・ゲームを開催した。前年まで2年連続地区最下位で下馬評の低いシーズンだったが、FAで補強した抑え投手のJJ・プッツJoseph Jason "JJ" Putz(1977― )、21勝で最多勝に輝いたイアン・ケネディーIan Kennedy(1984― )らが活躍。地区優勝を果たしたが、ミルウォーキー・ブリュワーズとのディビジョン・シリーズでは最終戦の延長10回裏にプッツがナイジャー・モーガンNyjer Morgan(1980― )にサヨナラ打を許して敗退した。2015年オフに同地区のライバル、ロサンゼルス・ドジャースからFAになった投手ザック・グレインキーDonald Zackary "Zack" Greinke(1983― )を6年2億0650万ドルの大型契約で獲得。主砲ポール・ゴールドシュミットPaul Goldschmidt(1987― )の36本塁打、120打点の活躍もあり、2017年に6年ぶりのプレーオフ進出を果たしたが、ディビジョン・シリーズでドジャースの前に3連敗を喫して敗退した。2023年は新人王を獲得したコービン・キャロルCorbin Carroll(2000― )が打線を引っ張り9月30日にプレーオフ進出を決めると、ワイルドカード・シリーズでは中地区優勝のブリュワーズを相手に2試合連続で逆転勝利。ディビジョン・シリーズでは優勝候補の筆頭であったドジャースを3連勝で下し、続くチャンピオンシップ・シリーズでも圧倒的優勢とみられていたフィリーズを4勝3敗で破って22年ぶりのワールド・シリーズ進出を果たした。ワールド・シリーズではテキサス・レンジャーズに1勝4敗で敗れて2度目の「世界一」には届かなかった。

 なお、日本人選手では、投手として斎藤隆(2012年在籍)、平野佳寿(よしひさ)(2018~2019年在籍)がプレー。

 1998年から2024年までの通算成績は、2087勝2185敗、地区優勝5回、リーグ優勝2回、ワールド・シリーズ優勝1回。

[大冨真一郎]2025年11月17日

©SHOGAKUKAN Inc.

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