アメリカのプロ野球球団。ナショナル・リーグ所属(西地区)。フランチャイズをコロラド州デンバーに置き、クアーズ・フィールドを本拠地としている。
ナショナル・リーグの球団数拡張が行われた1993年に新球団として誕生し、西地区に配属された。初年度にアンドレス・ガララーガAndres Galarraga(1961― )が首位打者となったが、チームは地区6位に終わった。両リーグ東・中・西の3地区制となった1994年からも西地区所属。創設当初、アメリカンフットボールのプロ・リーグNFL所属のデンバー・ブロンコスの本拠地マイルハイ・スタジアムを間借りしていたが、1995年に野球専用の現本拠地が開場した。同年、ガララーガ、ダンテ・ビシェットDante Bichette(1963― )、ラリー・ウォーカー、ビニー・カスティーヤVinny Castilla(1967― )とホームラン30本以上をマークする打者が4人もそろう強力打線を形成し、プレーオフに進出したがアトランタ・ブレーブスに敗れた。1996年にガララーガが本塁打と打点の二冠王、1997年にウォーカーが本塁打王で最優秀選手(MVP)、ガララーガが打点王、1998年と1999年はウォーカーが首位打者、2000年にトッド・ヘルトンが首位打者と打点王、2001年にふたたびウォーカーが首位打者、2003年はプレストン・ウィルソンPreston Wilson(1974― )が打点王、2004年はカスティーヤが打点王と、その後も強力打線を維持したが地区優勝はできなかった。
[山下 健]
2005年は地区最下位、2006年は4位と低迷したが、2007年はワイルドカード(リーグごとに各地区優勝チーム以外の勝率上位チームに与えられるプレーオフ進出の権利)でプレーオフへ進出。ディビジョン・シリーズでフィラデルフィア・フィリーズに勝利。アリゾナ・ダイヤモンドバックスを4連勝で降してリーグ優勝したが、ワールド・シリーズではボストン・レッドソックスに4連敗を喫し、「世界一」を逃した。前年のシーズン途中にニューヨーク・メッツからトレード移籍した松井稼頭央(かずお)も好成績を残し、チームのリーグ優勝に貢献した。2009年にもワイルドカードからプレーオフ進出を果たしたがディビジョン・シリーズでフィリーズに1勝3敗で敗れた。本拠地が標高1600メートルの高地にあって、気圧が低く、打球の飛距離が伸びやすい打者有利の環境のため、2010年カルロス・ゴンザレスCarlos González(1985― )、2013年マイケル・カダイアーMichael Cuddyer(1979― )、2014年ジャスティン・モーノーJustin Morneau(1981― )、2016年DJ・ラメイヒューDavid John "DJ" LeMahieu(1988― )、2017年チャーリー・ブラックモンCharles Cobb "Charlie" Blackmon(1986― )と次々に首位打者を輩出。2013年にデビューしたノーラン・アレナドNolan Arenado(1991― )は内野手では史上初の初年度から10年連続ゴールド・グラブ賞を受賞し、2015年、2016年には本塁打と打点の二冠王に輝いた。チームは2017年、2018年にプレーオフ進出を果たしたが、ディビジョン・シリーズ止まり。2023年には球団ワースト記録となるシーズン103敗を喫しており低迷が続いている。
なお、日本人選手は、投手では吉井理人(まさと)(2000年在籍)、マック鈴木(2001年在籍)、野手では松井稼頭央(2006~2007年在籍)がプレー。
1993年から2024年までの通算成績は、2321勝2699敗、地区優勝0回、リーグ優勝1回、ワールド・シリーズ優勝0回。
[大冨真一郎]2025年11月17日
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