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日本大百科全書(ニッポニカ)

ニューヨーク・ヤンキース

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ニューヨーク・ヤンキース
にゅーよーくやんきーす
New York Yankees

アメリカのプロ野球球団。アメリカン・リーグ所属(東地区)。フランチャイズをニューヨーク州ニューヨーク市ブロンクスに置き、ヤンキー・スタジアムを本拠地としている。球団名の変遷は、ボルティモア・オリオールズ(1901)―ニューヨーク・ハイランダーズ(1903)―ニューヨーク・ヤンキース(1913)。

 1872年にナショナル・アソシエーションに参加したボルティモア・ロード・ボルティモアズが、アメリカン・アソシエーションでオリオールズとなり、ナショナル・リーグを経て、1901年にアメリカン・リーグ発足と同時に加盟。2年で経営が立ち行かなくなり、ニューヨークの2人の富豪に売却され、1903年にフランチャイズをニューヨークに移し、ハイランダーズとして再出発した。1913年に現名称に改称。ボストン・レッドソックスから強打者ベーブ・ルースを迎えた1920年から強いチームとなり、以降1960年代前半まで黄金時代が続いた。その間、スーパースターが次々と登場し、強さが継承されていった。1921年から3年連続リーグ優勝し、1926年からふたたびリーグ3連覇、1932年にもリーグ優勝し、1923年、1927年、1928年、1932年はワールド・シリーズを制した。ルー・ゲーリッグが1923年にデビューして1925年レギュラーに定着、ルースとともに猛打を振るい、とくに2人が全盛期となった1927年は他の主力打者もよく打ち「マーダラーズ・ロー(殺人打線)」とよばれた。1934年限りでルースがボストン・ブレーブス(現、アトランタ・ブレーブス)に放出され、2130試合連続出場をマークしながら筋萎縮性側索硬化症で1939年に引退を余儀なくされたゲーリッグも現役晩年を迎えた1936年に、華麗なプレーぶりで人々を魅了して、ヘミングウェイの小説『老人と海』(1952)でも言及されたジョー・ディマジオが登場。1936年から1939年まで4年連続ワールド・シリーズ優勝を成し遂げる原動力となった。1941年から3年連続リーグ優勝で、1941年と1943年はワールド・シリーズ優勝。1941年のディマジオは、56試合連続安打の記録を打ち立てて最優秀選手(MVP)に選ばれた。1947年もディマジオが3回目のMVPを受賞する活躍でワールド・シリーズを制した。1949年にケーシー・ステンゲルが監督に就任すると、同年から1953年まで5年連続「世界一」。この間、ディマジオは1951年で引退するが、好捕手ヨギ・ベラや「史上最強のスイッチ・ヒッター」といわれるミッキー・マントルらが活躍し、1955年からも4年連続リーグ優勝し、1956年と1958年はワールド・シリーズも制した。なかでも1956年は、マントルが三冠王となってMVPを受賞し、ブルックリン・ドジャース(現、ロサンゼルス・ドジャース)とのワールド・シリーズ第5戦では投手ドン・ラーセンがシリーズ史上唯一の完全試合を達成した。カンザスシティ・アスレチックス(現、アスレチックス)より強打好守のロジャー・マリスを加えた1960年からリーグ5連覇。1961年と1962年には2年連続「世界一」となった。マントルとマリスの頭文字を取り、この強打者コンビは「MM砲」とよばれたが、とくに1961年のマリスはホームラン61本を放ち、ルースのもっていた当時のシーズン最多記録を更新。打点も加えた二冠王となり、前年から2年連続してMVPに選ばれた。

 両リーグが東西の2地区制となった1969年に東地区に配属された。この時期(1965~1975)はチームの低迷期で、一度も優勝できなかった。1973年に、1923年の開場で「ルースが建てた家」とよばれた旧ヤンキー・スタジアムが取り壊され、1976年には新ヤンキー・スタジアムが開場。その年、12年ぶりのリーグ優勝を果たすと、1978年まで3年連続リーグ優勝し、1977年と1978年にはワールド・シリーズも制した。1980年に地区優勝、1981年にもリーグ優勝。1977年にボルティモア・オリオールズから加入したレジー・ジャクソンの強打が武器となった。ジャクソンは1977年、ロサンゼルス・ドジャースとのワールド・シリーズ第6戦で3打席連続本塁打を記録して「世界一」を決めた。1982年からふたたび低迷期に入り、1993年まで一度も地区優勝することができなかった。両リーグが東・中・西の3地区制へと移行した1994年にも引き続き東地区所属となり、1995年にプレーオフへ進出して以降、ふたたび黄金時代を迎えた。1996年、および1998年から3年連続「世界一」、2001年と2003年リーグ優勝、2002年から2006年まで連続地区優勝。この強さを支えたのは、1996年に監督に就任したジョー・トーレの采配(さいはい)と、1995年のデビューで1996年に新人王に選ばれた遊撃手デレック・ジーターらの質の高いプレーだった。2003年には、読売ジャイアンツ(巨人)からFA(フリー・エージェント)となった松井秀喜(ひでき)が加入した。

[山下 健]
 2007年は地区2位ながらワイルドカード(リーグごとに各地区優勝チーム以外の勝率上位チームに与えられるプレーオフ進出の権利)でプレーオフに出場したが敗退、このシーズンを最後に監督のトーレは退任した。2008年は14年ぶりにプレーオフ進出を逃すと、オフシーズンに投手のサバシアCarsten Charles "CC" Sabathia(1980― )、野手のマーク・テシェーラMark Teixeira(1980― )ら大物FA選手を補強。旧本拠地の北側に現本拠地球場が開場した2009年には、サバシアが最多勝、テシェーラは本塁打と打点の二冠王を獲得する活躍で期待に応え、プレーオフに進出。ワールド・シリーズでは松井秀喜のシリーズMVPに輝く打撃もあってフィラデルフィア・フィリーズを4勝2敗で降して、9年ぶりの「世界一」となった。

 2010年7月に、勝利のためには金を惜しまずに使うことなどで強烈な個性を放っていたオーナーのジョージ・スタインブレナーが死去。1995年以降の黄金時代を支えた捕手ホーヘイ・ポサーダJorge Posada(1971― )が2011年限りで、抑え投手マリアノ・リベラMariano Rivera(1969― )が2013年限りで、そして絶大な人気を誇ったジーターが2014年限りで、それぞれヤンキース一筋で現役を引退。2014年には20年ぶりにプレーオフ進出を2年連続(2013、2014)で逃してしまう。こうしたなか、新たな球団の顔が現れたのは2016年。同年にデビューしたアーロン・ジャッジAaron Judge(1992― )は2017年に大リーグ(MLB)新人記録(当時)の52本塁打をマーク、2022年にはマリスの記録を塗り替えるア・リーグ新記録のシーズン62本塁打を放ちMVPを獲得した。同年12月にはジーター以来となるヤンキース16代目のチーム・キャプテンに就任した。ジャッジが新人王を獲得した2017年から6年連続ポストシーズンに進出したがワールド・シリーズには届かず、2010年代は1910年代以来初めて一度もワールド・シリーズ出場がかなわない10年間となった。

 2024年にはワールド・シリーズに進出。ドジャースに1勝4敗で敗れた。

 なお、日本人選手では、投手として伊良部秀輝(いらぶひでき)(1997~1999年在籍)、井川慶(けい)(2007~2008年在籍)、黒田博樹(ひろき)(2012~2014年在籍)、五十嵐亮太(りょうた)(2012年在籍)、田中将大(まさひろ)(2014~2020年在籍)、野手として松井秀喜(2003~2009年在籍)、イチロー(2012~2014年在籍)がプレー。

 1901年から2024年までの通算成績は、1万0778勝8148敗、地区優勝21回、リーグ優勝41回、ワールド・シリーズ優勝27回。

[大冨真一郎]2025年11月17日

©SHOGAKUKAN Inc.

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