日本の政党。2016年(平成28)3月、野党第一党の民主党に維新の党や改革結集の会の一部などが合流して発足した。略称は民進。1996年(平成8)結成の民主党が母体である。政策的には専守防衛による平和主義、憲法第9条への自衛隊明記反対、長時間労働の規制、基礎的所得保障の実現、原発ゼロ実現などを掲げ、リベラル・中道左派色が強い。ただリベラル派だけでなく、政権交代可能な二大政党をつくろうとする保守勢力も加わっており、政策的に一枚岩ではない。本部は東京都千代田区永田町。代表は参院議員の大塚耕平(1959― )。2018年2月時点で、所属国会議員は54人(衆院12人、参院42人)。2017年9月まで野党第一党であったが、2017年の衆議院選挙をはさみ、東京都知事の小池百合子(1952― )が立ち上げた希望の党や、元内閣官房長官の枝野幸男(えだのゆきお)(1964― )が結成した立憲民主党へ所属議員が離脱し、参院議員中心の政党となった。
2009年から政権を担った民主党は2012年の衆院選で自由民主党・公明党に惨敗し、2013年参院選、2014年衆院選でも党勢を回復できなかった。このため2016年、民主党に元内閣官房副長官の松野頼久(1960― )を中心とする維新の党や衆院議員であった村岡敏英(としひで)(1960― )らによる改革結集の会の一部が加わって結党。初代代表に旧民主党代表の岡田克也(かつや)(1953― )がつき、発足時の所属国会議員は156人(衆院92人、参院64人)。岡田は共産、社民党などとの野党共闘で2016年の参院選や東京都知事選に臨んだが、与党に打撃を与えることができなかった。その後、民進党代表代行であった蓮舫(れんほう)(1967― )、旧民主党代表の前原誠司(1962― )と代表がかわったが、離党者が相次ぐ状態が続き、2017年の衆院選を控え、代表の前原は事実上希望の党への合流を決めた。しかし小池が民進党出身議員を選別すると言明したため、民進党リベラル派を中心に立憲民主党が結党し、民進党は希望の党、立憲民主党、無所属の会に分裂。2017年10月の両院議員総会で大塚が代表につくと同時に、希望の党への合流を撤回し国政政党として存続している。
[矢野 武]
2018年5月、民進党は党名を国民民主党に変更。希望の党から分党した、玉木雄一郎(1969― )を代表とする国民党は、届出を行った同日に解散し、国民民主党に合併した。国民民主党は玉木と大塚耕平が共同代表を務める。所属国会議員は62人(衆院39人、参院23人)。なお、元首相の野田佳彦(よしひこ)や元民進党代表の岡田克也は合流せず離党した。
[編集部]