日本の政党。2017年(平成29)10月の衆議院選挙前に、民進党の枝野幸男(えだのゆきお)(1964― )ら護憲・リベラル系議員を中心に結党された。総務省届出の正式略称は「民主党」であるが、報道機関は「立憲」「立民」などと略すこともある。立憲主義と草の根民主主義を結党の理念とし、外交・安全保障政策では平和主義や専守防衛を掲げる。格差是正、原発ゼロ、消費増税反対、選択的夫婦別性の導入などを公約とする中道左派政党である。知る権利の明文化など憲法改正の必要性は認めているが、憲法第9条の改正には反対している。本部は東京都千代田区平河町(ひらかわちょう)。代表は枝野が務め、2018年2月時点で所属国会議員は61人(衆院55人、参院6人)。おもな所属議員は元首相の菅直人(かんなおと)、元衆院副議長の赤松広隆(あかまつひろたか)(1948― )、元厚生労働相の長妻昭(ながつまあきら)(1960― )、元民進党代表の蓮舫(れんほう)(1967― )らで、旧社会党や市民運動家の出身者が多い。国政選挙では共産、社民党などと候補者・選挙区調整などの野党共闘を実施しており、連合内では旧総評系を中心に立憲民主党を支持する産業別労働組合が多い。
2017年の衆院選を控え、東京都知事の小池百合子(1952― )は改革保守主義を掲げる希望の党を立ち上げ、民進党代表の前原誠司(1962― )は事実上希望の党への合流を決めた。しかし小池が政策や理念で民進党出身議員を選別する方針を打ち出したため、これに反発するリベラル系議員の受け皿として同年10月3日に結党した。同年の衆院選では78人の公認候補を擁立し、衆院では、議員数を選挙前の15から55へ増やして野党第一党となった。
[矢野 武]