ジャパンナレッジ
広義には、音声波形の情報を分析によって音源と調音の情報に分解して伝送もしくは記憶し、それらからふたたび音声波形を合成するシステムをいう。狭義には、その調音情報の分析抽出法として多数のフィルター群によるスペクトル分析の手法を使うものをいう。たとえば、中心周波数の異なる多数の帯域通過フィルターを並べて分析し、その出力強度を調音情報とする。同じフィルター群の音源による励振出力を調音情報で変調し、加え合わせて合成するというのがもっとも原理的な形で、これをチャネルボコーダーという。ボコーダーの原理は今日の音声合成・音声認識の基本をなす発明であり、1939年アメリカのベル電話研究所のダッドレーHomer Dadleyによって発明された。