学習指導要領にとらわれず、不登校生の実態に配慮した特別な教育課程をもつ学校。正式名は「不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校」で、文部科学大臣が指定する。構造改革特区での規制緩和の一環として、2004年(平成16)に東京都八王子市の高尾山(たかおさん)学園に初めて導入され、2005年に学校教育法施行規則改正で制度化されて全国に広がった。学習指導要領の規定に縛られず、不登校の児童・生徒にあったカリキュラムを整えており、(1)年間総授業時間を750時間~770時間程度と規定より1~2割抑える、(2)習熟度別や学年の枠を超えたクラス編成をする、(3)体験型学習、校外学習、ボランティア活動に力を入れる、(4)教室に入るのが苦手な子供に適した小グループ指導や個別学習の時間を設ける、(5)専任教員の増員やスクールカウンセラーを設置する、などの柔軟な対応をとる特例校が多い。都道府県や市町村の枠を超え、遠方から入学する児童・生徒が多いという特徴をもつ。2018年4月時点で、全国に次の12特例校がある。▽高尾山学園小学部・中学部(公立小中学校・八王子市)▽洛風(らくふう)中学校(公立中学校・京都市)▽学科指導教室「ASU」(公立小中学校・奈良県大和郡山(やまとこおりやま)市)▽星槎(せいさ)中学校(私立中学校・横浜市)▽鹿児島城西高等学校普通科・ドリームコース(私立高校・鹿児島県日置(ひおき)市)▽東京シューレ葛飾(かつしか)中学校(私立中学校・東京都葛飾区)▽洛友(らくゆう)中学校(公立中学校・京都市)▽日本放送協会学園高等学校(私立高校・東京都国立(くにたち)市)▽星槎名古屋中学校(私立中学校・名古屋市)▽星槎もみじ中学校(私立中学校・札幌市)▽西濃(せいのう)学園中学校(私立中学校・岐阜県揖斐川(いびがわ)町)▽調布市立第七中学校・分教室「はしうち教室」(公立中学校・東京都調布市)。
2018年9月19日