散弾銃・ライフル銃・空気銃・拳銃(けんじゅう)・空気拳銃・古式銃など各種の銃器を使用して標的を狙撃(そげき)する競技。
射撃競技はヨーロッパ各地に銃が普及し始めた15世紀から16世紀にかけて急速に広まった。国際的な競技大会は、1897年、フランスのリヨンで行われた第1回世界射撃選手権大会である。オリンピック大会では、第1回アテネ大会(1896)から実施されている。
日本の射撃競技は、明治維新後まもなく民間人が室内射撃場を設置し、銃器、弾薬を政府から購入して射撃練習をした記録があり、これが民間射撃の始めとされている。1925年(大正14)の第2回明治神宮競技大会から射撃競技は正式種目として採用され、一般、学生、在郷軍人の3部に分かれて実施された。1937年(昭和12)には大日本射撃協会が結成され、翌年には国際射撃連合に加盟した。第二次世界大戦終戦とともに大日本射撃協会は解散したが、1949年(昭和24)には日本射撃協会が設立され、翌年には第1回全日本ライフル射撃選手権大会を開催した。1951年には日本体育協会(現、日本スポーツ協会)に加盟。同年の国民体育大会に正式種目として参加し、現在に至っている。また、1951年12月には国際射撃連合に復帰、再加盟した。
2018年11月19日
射撃競技は、国際的にはシューティングshootingという名称が使われ、ライフル射撃競技rifle shooting、ピストル射撃競技pistol shooting、クレー射撃競技clay target shootingほかに分けられる。
なお、日本国内ではライフル射撃競技という名称のなかにライフル射撃競技とピストル射撃競技が包括されている。このほか、空中に放出されるクレー・ピジョン(動標的)を散弾銃で撃つクレー射撃競技や、限られた時間内で地上を走行する紙製動標的を射撃するランニングターゲット射撃競技、火縄銃・同短筒など古式銃による前装銃射撃競技などがある。また、複合種目のなかにピストル射撃競技を加えた近代五種競技(2012年オリンピック・ロンドン大会からは光線銃ピストルを使用)、スキーの距離競技にライフル射撃を加えたバイアスロン競技(冬季近代二種)もある。これらの射撃競技を統括する組織として、ライフル射撃競技およびピストル射撃競技には日本ライフル射撃協会、クレー射撃およびランニングターゲット射撃競技には日本クレー射撃協会、近代五種競技には日本近代五種協会、バイアスロン競技には日本バイアスロン連盟がある。
なお、日本国内では競技で使用する銃砲であっても、光線銃(ビームライフル、ビームピストルなど)を除き、銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)によりその所持、使用について厳しい制限が課せられている。
2018年11月19日