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診察室(医療機関)で測定する血圧が高血圧であっても、診察室外(家庭で測定する血圧など)では正常域血圧を示す状態。医療従事者の着る白衣を見ると、緊張から血圧が上昇すること(白衣効果)があり、このように呼称される。具体的には、診察室血圧が収縮期血圧140ミリメートル水銀柱(mmHg)以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上で、家庭血圧が収縮期血圧135mmHg未満かつ拡張期血圧85mmHg未満、あるいは自由行動下血圧測定(ABPM)での24時間平均血圧が収縮期血圧130mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満である場合をいう。
診察室血圧で高血圧と診断された患者の15~30%にみられ、とくに高齢者に多い。持続性高血圧と比較して臓器障害は軽く、心血管予後も良好であるが、一部は持続性高血圧に移行したり、糖尿病発症のリスク因子となる。
なお、白衣高血圧に対し、診察室で測定する血圧が正常域血圧であっても、診察室外血圧は高血圧を示す状態を「仮面高血圧」という。
2018年12月13日