2. 電子化するにあたり、ガイドとなる実録の綱文を翻刻した。その際、漢字は現在通用する常用漢字体に変えたが、仮名遣いはそのままとし、異体字、俗字に関しても無理に常用漢字体に統一せず、原文を生かし、一部作字を施した。
但し、明らかな誤字については直し、誤記については、【ゆまに書房註】として参考意見を付した。
3. 『総目次』所載の本実録の凡例を以下に掲載する。
凡例
一、本実録ハ神武天皇ヨリ孝明天皇ニ至ル歴代天皇及ビ光厳天皇光明天皇崇光天皇後光厳天皇後円融天皇並ニ其ノ后妃後宮皇親ノ行実ヲ謹修セルモノニシテ、大正九年五月図書寮ニ於テ之ガ編修ニ著手シ、昭和十一年十二月其ノ功ヲ終ヘタリ、
一、本実録ハ天皇別ニ謹修シ、后妃後宮並ニ皇子已下概ネ四世孫ニ至ル皇親ノ行実ハ夫々ノ天皇実録ノ中ニ収メタリ、但シ皇親ニシテ皇位ニ即キ、或ハ皇后ニ立チ、又ハ入リテ妃嬪ト為リタル、又伏見宮桂宮有栖川宮及ビ閑院宮ノ四親王家ニ入リ、或ハ他ノ皇親ニ適キタルハ単ニ名ヲ掲グルニ止メ、其ノ行実ハ当該天皇、若シクハ当該皇親ノ部ニ収録セリ、
一、四親王家ニ属スル歴世皇親妃並ニ其ノ王子女等ニ就キテハ、別ニ四親王家各宮実録ヲ編修スルコトトセリ、
一、天皇実録ノ記載事項ハ概ネ降誕ニ始マリ大葬ニ終ル、其ノ間命名立儲践祚即位祭祀行幸其ノ他諸種ノ行事ヲ始メトシテ、行実ノ伝フベキモノハ黽メテ遺漏ナカランコトヲ期セリ、后妃皇親ニ係カル事項モ亦之ニ準ゼリ、
一、本実録ノ体例ハ編年体ニ依ル、初メニ綱文ヲ掲ゲテ事項ノ要ヲ提シ、次ニ史料ヲ駢列シテ依拠ヲ明カニセリ、
一、本実録ノ史料ハ主トシテ図書寮所蔵本ニ依拠シタルモ、又東山御文庫内閣文庫東京帝国大学史料編纂所社寺並ニ民間ノ所蔵ニ係カル文書記録ヲモ採録セリ、
一、本実録ニ収録セル史料ニシテ、其ノ伝来或ハ所在ヲ明カニスルノ要アルモノハ、書名ノ下ニ○印ヲ附シテ之ヲ註記セリ、又史料ノ用語語句等ハ専ラ拠本ノ旧ニ従ヒシモ、文字ノ誤脱等ニ就キテハ傍註ヲ加へ( )印ヲ用ヒテ之ヲ示セリ、
一、本実録ハ天皇毎ニ目次略系図及ビ引用書目ヲ巻頭ニ掲記シ、又内容ノ多少ニ従ヒ或ハ巻次ヲ附シテ分冊シ、或ハ便宜合綴セリ、
一、本実録ニハ別ニ総目次一冊ヲ加ヘタリ、而シテ各実録目次中ノ誤レルモノニ就キテハ本目次ニ於テ之ヲ訂正セリ、
昭和十九年七月
以上
4. 復刻版『天皇皇族実録』の監修は、吉岡眞之氏(国立歴史民俗博物館名誉教授)、藤井讓治氏(京都大学名誉教授)にお願いし、電子版『天皇皇族実録』の監修には、さらに北啓太氏(元宮内庁京都事務所長)に加わって頂いた。