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  11. 国譲り神話

国譲り神話

ジャパンナレッジで閲覧できる『国譲り神話』の改訂新版・世界大百科事典のサンプルページ

国譲り神話
くにゆずりしんわ

大国主(おおくにぬし)神が葦原中国(あしはらのなかつくに)を天照大神(あまてらすおおかみ)に献上した次第を語る神話。諸々の異伝があるが,《古事記》によると,葦原中津国平定のために高天原(たかまがはら)からは,はじめに天菩比(あめのほひ)神(天穂日命)が遣わされるが,オオクニヌシと親しみ3年たっても復命しない。次に天若日子(あめわかひこ)(天稚彦)が遣わされるが,オオクニヌシの娘下照比売(したてるひめ)と結婚してこれもまた復命せず,ついには高天原からの矢にあたって死ぬ。最後に出雲に天降った建御雷神(武甕槌(たけみかづち)神)と天鳥船(あめのとりふね)神(紀では経津主(ふつぬし)神)はアマテラスの命令を突きつけてオオクニヌシに国譲りを迫る。オオクニヌシは子の事代主(ことしろぬし)神と建御名方(たけみなかた)神が服従を誓ったのでその言葉どおりに中津国を献上し,その代りに出雲大社を創建させてそこに隠れる。またコトシロヌシが先頭に立って天孫に仕えたならば国津神(くにつかみ)たちもそれに従うであろう,と誓約する。〈大国主〉とは在地の首長にして朝廷へと服属した国造(くにのみやつこ)を神話的に典型化したものであり,首長たちの頭目として国造りした葦原中国をみずからアマテラスオオカミに献上したとされたのである。つまり国譲り神話は各地の首長たちが朝廷へと服属していった歴史的過程を一回的に典型化して,その由来を語ったものなのである。そしてこの神話を儀礼として表現したものが《出雲国造神賀詞(いずものくにのみやつこのかむよごと)》の奏上であった(《延喜式》)。これは出雲国造が代替りごとに宮廷に参上して寿詞(よごと)を述べ,諸々の国造の総代として,朝廷への服属を誓う儀式であった。その寿詞によれば,オオクニヌシの和魂(にぎたま)とされたコトシロヌシや大物主(おおものぬし)神が,大和において〈皇孫(すめみま)命の近き守り神〉として仕える次第が語られており,在地の首長が斎(いつ)く国津神たちがオオクニヌシへと統合されて朝廷の守護神へと転化される過程が述べられていた。

出雲が国譲り神話の舞台となり,出雲国造が代表となって服属するのは,王権の中心地である大和からみて,出雲が日の没する西の辺境に位置している,という神話的な秩序と関連する。こうして神話と儀礼によって朝廷の支配は正当化され,永遠に続くものと信じられたのである。大化前代,朝廷は服属してきた首長層に〈姓名(かばねな)〉を賜与することによって,彼らを国造,伴造(とものみやつこ)などとして組織し,これを通じて在地の人民を〈部(べ)〉などとして支配する族制的な秩序を創り出していたが,やがて有力な首長層を中心として,氏族の祖先を王室の系譜に結合して,王権と〈同族〉的な関係を結ぶようになった。神話や儀礼には,こうした族制的な支配原理と,擬制的な同族組織を最も有効に機能させる働きがあり,そこには血縁的な擬制にもとづいて結合していた人々の独自の思考や想像が表現されてもいた。国譲り神話が生み出された根拠はここにあり,オオクニヌシノカミや出雲国造が天津神(あまつかみ)の系譜に編入されたのもそのためなのである。
[武藤 武美]

[索引語]
大国主(おおくにぬし)神 葦原中国 出雲国造神賀詞(いずものくにのみやつこのかむよごと)
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検索コンテンツ
1. 国譲り神話
日本大百科全書
い神である。この2柱の神が、大国主神の祭祀と武力の両面を代表して国譲りを語っていることは、国譲り神話が出雲の服属神話ではなく、国津神(くにつかみ)の天津神(あま ...
2. 国譲り神話
世界大百科事典
頭目として国造りした葦原中国をみずからアマテラスオオカミに献上したとされたのである。つまり国譲り神話は各地の首長たちが朝廷へと服属していった歴史的過程を一回的に ...
3. くにゆずりしんわ【国譲り神話】
国史大辞典
『古事記』『日本書紀』の伝えるところでは、天照大神の弟素戔嗚尊が出雲に天降り奇稲田姫と結婚して大国主神を生んだ。この神は大八洲をことむけやわしたが、天照大神は ...
4. 天照大神
世界大百科事典
記紀では,その誕生譚,素戔嗚尊(すさのおのみこと)との誓約(うけい)生み,天(あま)の岩屋戸,国譲り神話などの諸神話に登場する。 〈皇祖神〉アマテラス 《古事記 ...
5. あまてらすおおかみ【天照大神】
日本架空伝承人名事典
記紀では、その誕生譚、素戔嗚尊(すさのおのみこと)との誓約(うけい)生み、天(あま)の岩屋戸、国譲り神話などの諸神話に登場する。「皇祖神」アマテラス 『古事記』 ...
6. 天探女
世界大百科事典
記紀の神話に出てくる女性で,人の心を探ることを役目とし,名もそれにもとづいている。国譲り神話のなかで,地上に派遣されながら復命しない天稚彦(あめわかひこ)に対し ...
7. 天穂日命
日本大百科全書
国譲り神話のなかに出てくる神。天照大神(あまてらすおおみかみ)と須佐之男命(すさのおのみこと)が誓約(うけい)をした際、天照大神の珠(たま)から生まれた五男神の ...
8. 天穂日命
世界大百科事典
ものくにのみやつこ)の祖神とされる。名義は高天原(たかまがはら)に由来する稲穂の神霊の意。国譲り神話のなかでは高天原より葦原中国(あしはらのなかつくに)へ派遣さ ...
9. 天稚彦
世界大百科事典
日本神話にあらわれる神の名。天国玉神(あまつくにたまのかみ)の子。国譲り神話の中で高天原(たかまがはら)から出雲平定のため弓矢を授かり遣わされるが,大国主神(お ...
10. いささのおはま【五十狭狭之小汀】
国史大辞典
五十田狭之小汀(いたさのおはま)・伊那佐之小浜(いなさのおはま)とも書く。記紀神話などにみえる国譲り神話の舞台として有名。オオナムチ・スクナヒコナ・タケミカズチ ...
11. 出雲[市]
世界大百科事典
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12. 出雲大社
世界大百科事典
みられる。こうした経緯の後に,中央の史局で《古事記》《日本書紀》の編纂がすすむと,その出雲国譲り神話で,この社の起源を語るようになったらしい。すなわち,《古事記 ...
13. いずもたいしゃ【出雲大社】島根県:簸川郡/大社町/杵築宮内村
日本歴史地名大系
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14. 出雲国
世界大百科事典
記定した一人であり,このことは,記紀の出雲神話の構成や撰述の考察に示唆するところが多い。たとえば,記紀の国譲り神話は,上述の出雲服属の経緯を変形して述作されたも ...
15. 稲佐浜
世界大百科事典
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16. 鵜飼い
世界大百科事典
祭祀の聖なる料として祭神である大己貴(おおなむち)大神にささげることで知られている。《古事記》の国譲り神話によると,櫛八玉神がウに姿をかえて海にもぐり,海底の土 ...
17. 大物主神
世界大百科事典
逆に己の守護神へと仕立て上げていったいきさつを,オオモノヌシに典型化して語ったものである。→国譲り神話武藤 武美 大国主神 ...
18. 思兼神
世界大百科事典
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19. くまののもろたぶね【熊野諸手船】
国史大辞典
『日本書紀』神代天孫降臨章の出雲の国譲り神話の中に登場する船。熊野は出雲の地名、諸手船は多数の漕手をのせた船つまり多数の櫂で推進する船と解されているが、丸木船 ...
20. 古事記
世界大百科事典
国訪問,オオナムチが大国主(おおくにぬし)神として再生し地上界の頭目として天孫に国譲りする国譲り神話,アマテラスの孫番能邇邇芸(ほのににぎ)命(瓊瓊杵尊)の天孫 ...
21. 事代主神
世界大百科事典
ぬし)は宮廷儀礼や皇祖神の祭礼を通じて天皇家とは特別な関係をもっていた。飛鳥土着の国津神が国譲り神話で重要な役割を果たしたのはこのためであり,後に壬申の乱に際し ...
22. ことしろぬしのかみ【事代主神】
国史大辞典
記紀の国譲り神話に大国主神の子として活躍する神。天八重事代主(あめのやえことしろぬし)神・天事代主命ともよばれる。『古事記』神代によれば、国譲りを求める高天原 ...
23. ことしろぬしのかみ【事代主神】
日本架空伝承人名事典
その県主(あがたぬし)は宮廷儀礼や皇祖神の祭礼を通じて天皇家とは特別な関係をもっていた。飛鳥土着の国津神が国譲り神話で重要な役割を果たしたのはこのためであり、後 ...
24. 三国史記 2 25ページ
東洋文庫
鴨緑江上流域とみられる。δ この神話は「遺」東扶除条にもみられ、天の御子降臨にさいしての一種の国譲り神話であるが、この 神話を奉ずる部族の歴史の一面を示すもので ...
25. したてるひめのみこと【下照比売命】
国史大辞典
記紀の国譲り神話に登場する女神。大国主神の娘で天若日子の妻。別名高比売命。大国主神との国譲りの交渉の使者として派遣された天若日子は、下照比売をめとり葦原中国の ...
26. 島根(県)
日本大百科全書
れる。また出雲大社周辺にも「お忌(いみ)まつり」などがある。美保神社(松江市美保関町)には国譲り神話にちなむ青柴垣(あおふしがき)神事・諸手船(もろたぶね)神事 ...
27. スズキ
日本大百科全書
秋田県ではスズキの丸焼き2尾を婚礼のときに用いる風習があった。『古事記』の大国主命(おおくにぬしのみこと)の国譲り神話にも、神饌に大きなスズキを料理して供えたこ ...
28. nbsp;高天原神話
世界大百科事典
,葦原中国の統治者としてアマテラスの子を天降すべく,天神の協議が行われた。国津神の国譲り(国譲り神話)の後に,葦原中国の統治を託す旨の神言を授かって,日神の孫瓊 ...
29. たけみかずち‐の‐かみ[たけみかづち:]【建御雷神・武甕槌神】
日本国語大辞典
記紀に見える神。特に「古事記」の国譲り神話で重要な活躍が語られ、天照大神の命を受けて出雲に降り、事代主神・建御名方神を服従させ、大国主命に国譲りをさせた。また、 ...
30. 武甕槌神
世界大百科事典
波に逆さに突き立て,その剣の先にあぐらをかいて大国主(おおくにぬし)神に国譲りをさせたのである(国譲り神話)。その姿は,石や岩,山や水などの自然物に象徴される国 ...
31. たけみかづちのかみ【武甕槌神】
日本架空伝承人名事典
波に逆さに突き立て、その剣の先にあぐらをかいて大国主(おおくにぬし)神に国譲りをさせたのである(国譲り神話)。その姿は、石や岩、山や水などの自然物に象徴される国 ...
32. 建御名方神
世界大百科事典
《日本書紀》には691年(持統5)に使者を送って〈須波(すわ)神〉を祭ったと記す。《古事記》の国譲り神話によると,〈千引(ちびき)の岩〉を軽々と手玉に取りながら ...
33. たけみなかたのかみ【建御名方神】
日本架空伝承人名事典
『日本書紀』には六九一年(持統五)に使者を送って「須波(すわ)神」を祭ったと記す。『古事記』の国譲り神話によると、「千引(ちびき)の岩」を軽々と手玉に取りながら ...
34. 天孫降臨神話
世界大百科事典
していた。使者を3度派遣し交渉した結果,オオクニヌシは子の2神とともに国譲りを誓う。以上の国譲り神話が天孫降臨神話のプロローグをなす。平定された葦原中国には,あ ...
35. とやじんじゃ【鳥屋神社】島根県:簸川郡/斐川町/鳥屋村
日本歴史地名大系
「延喜式」神名帳の鳥屋神社、「雲陽誌」の鳥屋神社に比定される。「出雲神社巡拝記」には諏訪大明神と記される。国譲り神話に、建御名方命が投げた千人力の岩が鳥屋の里に ...
36. 日本神話
世界大百科事典
建御名方(たけみなかた)神は服従させられ,その父であるオオクニヌシは国譲りを誓う。これを〈国譲り神話〉という。 かくしてアマテラスとタカミムスヒは,あらためてア ...
37. にほんしんわ【日本神話】
国史大辞典
その物語である日向神話が記紀神話の終幕を構成している。なお「国生み神話」「高天原神話」「出雲神話」「国譲り神話」「天降(あまくだり)神話」「日向神話」については ...
38. 日本神話の神々
日本大百科全書
社の第一殿などの祭神。→武甕槌神(たけみかづちのかみ)建御名方神(たけみなかたのかみ)* 国譲り神話のなかで建御雷(たけみかずち)神に力競べを挑んだことが語られ ...
39.&nbsnbsp;経津主神
世界大百科事典
らのなかつくに)に降り,刀剣の威力を背景に大己貴(おおなむち)神に国譲りを迫って成功する(国譲り神話)。《古事記》の同じ神話にはこの神は登場しない。下総国香取神 ...
40. ふつぬしのかみ【経津主神】
国史大辞典
あげ、その別名を建布都(たけふつ)神・豊布都(とよふつ)神とする。『古事記』の国譲り神話では、『日本書紀』の国譲り神話と異なって、高天原からの派遣神に経津主神を ...
41. みほじんじゃ【美保神社】島根県:八束郡/美保関町/三保関
日本歴史地名大系
祭神とするが、もとの祭神は御穂須須美命一神であったと考えられ、のち先の二神となった。記紀の国譲り神話が影響したものと考えられる。なお「出雲国風土記鈔」には「神御 ...
42. ワイドインタビュー問答有用 /612 島根発の“世界征服”=FROGMAN(フロッグマン)・アニメ監督
週刊エコノミスト 2015-16
縁結びの神様、出雲大社が鎮座なされる場所です。日本神話にもヤマタノオロチ退治や国引き神話、国譲り神話と、神話の舞台として何度も登場し、古代は重要な地域でした。  ...
「国譲り神話」の情報だけではなく、「国譲り神話」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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江戸時代中期の国学者、神道学者。鈴迺屋と号する。享保15年5月7日に生まれる。伊勢国松坂の木綿問屋小津定利(1695―1740)の二男。母はお勝(1705―1768)、幼名は富之助。父の死後、1748年(寛延1)19歳で同国山田の紙商今井田家の養子となったが、21歳で不縁となって実家に出戻り、翌1751年(宝暦1)
天照大神(世界大百科事典・日本架空伝承人名事典)
記紀神話に登場する太陽神的性格の女神。天照大御神,大日孁貴,天照大日孁尊などとも呼ばれる。皇室祖神として伊勢神宮にまつられている。記紀では,その誕生譚,素戔嗚尊との誓約生み,天の岩屋戸,国譲り神話などの諸神話に登場する。〈皇祖神〉アマテラス《古事記》によれば
太安麻呂(改訂新版・世界大百科事典)
奈良初期の官人。《古事記》の編纂者。姓は朝臣。安万侶とも記す。壬申の乱に天武天皇側で活躍した武将多品治の子という伝えもある。《続日本紀》によれば,704年(慶雲1)従五位下,711年(和銅4)正五位上,715年(霊亀1)従四位下に叙せられ,翌年氏長となった。没したときには民部卿であった。
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「国譲り神話」は古事記に関連のある記事です。
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